コロナ禍に強いカレー業態。FC運営のIT化と絶対的自信の味で、業界5位内を目指す~『カレー倶楽部ルウ』高畑祐吾社長(Gbiate)

公開日: カレー倶楽部ルウ
コロナ禍でテイクアウト事業に舵を切る飲食店が増える中、期待するほど売上のリカバリーが現れないところも少なくない。それでも好調なのが宮崎名物のチキン南蛮カレーを提供する『カレー倶楽部ルウ』だ。九州や大阪圏で8店舗運営するほか、ネットショップも進出。SNSでは謎の覆面をした店主『ルウ王子』が作るカレーとして、ツイッターのフォロワー数が5万名を超すなど、ユニークなPR活動もしている。

カレーは比較的ロスが少なく、効率的なオペレーションが可能でテイクアウトには向いている。コロナ禍でも赤字ゼロで、フランチャイズ(以下、FC)加盟による業態転換も増えているというカレー倶楽部ルウの高畑社長(株式会社グビエイト)に、経営の裏側やカレー業態の魅力を聞いた。

脱サラして飲食店経営、フランチャイジーの道へ

【Q】高畑社長はもともと、別の業態の飲食店を経営されていたそうですね。 私はもともと、22歳から7年間会社員をしていたんです。そこから脱サラして、30代からはバーや焼肉屋、とんかつ屋などの飲食店を12店舗経営していました。

そんなとき、知人である『ルゥ王子』から、『カレー倶楽部ルウ』のフランチャイジーにならないかと声がかかりまして。

今でこそ関西を中心に8店舗展開していますが、当時の『カレー倶楽部ルウ』は宮崎県の都城にしかなかったんです。それを全国に広めようという目的でした。

それで当時、自分が経営していた店舗はすべて売却して、『カレー倶楽部ルウ』のFCに加盟したんです。1店舗のFCオーナーとしてのスタートです。

当時は多くのお客様に来ていただきましたが、FC加盟店のほうなかなか増えずに苦戦していました。それで、2年ちょっと前に、私がFC本部の運営を任されることになったんです。
【Q】フランチャイジーの立場からフランチャイザーになられ、複数店舗の経営をスタートされたのですね。 カレーチェーンはもともと、1社の寡占市場です。多店舗展開しているチェーンが少ないのです。だからこそ逆に、現在の効率的なシステムで店舗を増やしていけば、業界シェアの5位に入ることも可能だと考えています。

コロナ禍で出店計画の見直しはありましたが、現在は関西を中心に直営・FCあわせて8店舗を展開中です。

今もFC加盟店の募集はしているのですが、最近は新型コロナの影響で居酒屋さんなど、他業態からの転換を考える方が増えています。将来的にはFCを中心に、50店舗を目指しています。

仕入れ・請求業務のシステム化で、効率的なFCオペレーションを実現

【Q】FC展開をするにあたり、どのような課題がありましたか? FCの本部運営をしていると、FCオーナー様への納品や請求処理のミスは許されませんから、どうしてもマンパワーをかけていました。手作業で請求書の発行をしていたので、店舗が増えれば、時間もリスクも増えます。それで3ヶ月に1回くらいはミスがありました。FAXの送付先店舗を間違えたり、ロイヤリティの請求を忘れたり、FAX受注表の確認が漏れて土日に車を出して食材を届けたりもしましたね。

店舗が増えていくにつれて対応の難しさを感じていたので、2020年からインフォマートの食材発注システム『BtoBプラットフォーム受発注』を導入しました。
【Q】インフォマートを選ばれた一番の理由は何でしょうか。 ずばり、決定打は利用企業のシェア率ですね。仕入れ先も広く使われているシステムでないと、効果は薄いと思います。特に小規模な仕入れ先だと、導入していただいても弊社以外の幅広い取引でお使いいただけないと『このシステムを使ってください』とはなかなか言えませんから。

また、システムを導入する前は正直、コスト面への不安がありましたが、ランニングコストが想定よりもかなり安かったので即決しました。費用対効果が高いと感じています。

FAXでの確認業務は意外と負担だった

【Q】受発注・請求業務でシステムを導入された効果はいかがですか? いちばん大きく実感しているメリットはFAXの確認業務がなくなった点ですね。何気ないことですが、実はすごく手間がかかっていたんだと感じました。

今まで請求処理や受発注にかけていたマンパワーを他の業務にあてることができるので、こんなことならもっと早めに始めておけばよかったと思っています。

金額や受注を確認したいときも、クラウドのシステムなのでネット環境さえあれば外出先でもすぐに確認できるので便利です。

請求の際にも、数字を簡単に確認できるので、メリットは大きい。今は電話受注を嫌がる仕入れ先も多いです。電話だと証拠が残らないし、手間ですから。

棚卸に関しても、今まではExcelに手入力していたので、棚卸表の作成・配付に人員コストがかかっていましたが、今後は楽になると思います。メニューごとの原価がサクッと見られる『メニュー管理機能』にもかなり期待していますね。

全国で50店舗の展開を目指す

【Q】今後の展望をお聞かせください。 数年以内に全国で50店舗の展開を目指しています。コロナ禍でもFC加盟への問い合わせは増えていて、カレー業態への可能性を感じている事業者さんがすごく多いことを実感しています。

もともと絶対の自信がある味で勝負しているのは大前提ですが、カレー店は収益性が高いんです。

たとえば居酒屋業態ですと、ホール・キッチン・レジと最低3人は人員が必要ですが、『カレー倶楽部ルウ』の運営は柔軟な人数調整が可能です。コロナ禍でも人件費の調整ができるので、赤字の店舗はありませんでした。

また、食材ロスが少ないのも特徴ですね。緊急事態宣言があけた後、まだお客様が戻っていない時期のことを考えても、居酒屋では少人数のお客様のために多くの食材を準備しておく必要があります。でもカレー店なら、そういうデメリットはありません。

券売機を利用すれば少人数でも運営でき、店舗面積も少なくてすむので家賃コストも抑えられます。今、需要が増えているテイクアウトにも簡単に対応できるので、利益が出やすい条件が揃っているんですね。これからもFCを増やしていきたいと考えています。

最終的には、『お店で温かいご飯を食べたい』というニーズが復活すると思いますが、しばらくはテイクアウトの比率が上がっていくでしょう。こうした風潮を見据えて、新しいファストフード業態も進めています。来年春までには始めたいですね。からあげグランプリで金賞を頂いているチキン南蛮カレーをベースに、これからも多くのチャレンジをしていきたいです。

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