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2023年度流通金額:44兆453億

ニュースリリース

〔日本食糧新聞 全国卸流通特集〕 受発注のIT化で卸連合を構築
2009年9月30日発行/22、23頁

事業化6年で年間流通高4200億円、業務用流通シェア5.6%、2年後10%突破見込みASP受発注システムで店舗、本社、卸を一元化

 外食市場が縮小基調にある中、業務用卸と飲食企業の多くが、売上アップよりも収益優先の体質改善に迫られている。その即戦力として脚光を浴びているのが「インフォマート」の[ASP受発注システム」。煩雑な仕入れ受発注の一元化をシステム化し、伝票処理を大幅に軽減する革新的なIT流通モデルだ。業務用流通のインフラ構築と鮮明な将来像に期待が高まり参加企業は急増。縄張り主義と揶揄された業界の弊害を突き崩し、躍進の渦を広げている。

 インフォマートの「ASP受発注システム」は、店舗、本社、卸の三方にまたがる仕入れ受発注の一元化をシステム化し、それぞれの伝票処理を大幅に軽減するものだ。

 外食産業の業務用流通には、加工食品、青果、食肉、魚、酒、資材など多くの専門卸が関わり、それぞれの専門卸が本社窓口に取引口座を作り、末端店舗に直配送している。これまでは、店舗から本社を経由して卸個別に発注する順送りが主流で、伝票ツールは個別オンライン、FAX、電話に限られていた。そのため、卸と店舗を多く抱えるほど本社の伝票処理は増加。それを効率化すると、仕入れアイテムは限定されてしまい、現場を熟知する店長や卸のタイムリーな提案は生かせなかった。

 これら三方のジレンマを解消したのがASP受発注システムだ。伝票ツールをWEB上で一元化し、三方が一覧管理できるようにすることで、伝票処理の時短とミス防止、大幅な事務コストダウン、多数の卸を活用した仕入れアイテムの充実などを実現。POS連動の時系列管理も可能にした。

 このシステムにはユーザーの環境を踏まえた多くの機能オプションがある。システム価格は店舗数に応じて初期費用が異なるが、費用負担は買い手企業に限られる。ランニングコストは定額制と従量制に分かれる。そのため効果測定の指標は多岐にわたり、導入メリットは一概に測りかねる。だが、外食産業からの歓迎ぶりは取引実績を見れば明らかだ。

 6年前の旗揚げから現在、外食チェーンの導入実績は605社、1万3312店舗。卸・メーカーは1万4478社。受発注流通高は4201億円にも達する(08年度末実績)。外食産業の市場規模は約25兆円。業務用流通に関わる仕入れ商品の原価を30%と仮定した場合、その市場規模は7兆5000億円。わずか6年目で業務用市場の5.6%に関与した計算となる。

 当社は15店舗以上のチェーン店を対象にスタートしたシステムだが、卸の参加企業が飛躍的に増えたことで、昨今は対象を5店舗にまで引き下げている。09年度末の受発注年商は5200億円、流通シェアは約7%に達する見込みだ。

 そして来期、参加する大手卸10社の強い要望に応え、外食市場の80%を占めるザラ場店(中小企業・個人店)の開拓に本腰を入れる。このほど、個店対応の新システム「ASP受注・営業システム」を立ち上げ、各地の有力卸約300社とタイアップして展開を加速。受発注年商7500億円、流通シェア10%の突破を2年以内に目指している。

 同社の創業は98年。地方産品をWEB販売する「Eマーケットプレイス」を立ち上げ後、ターゲットを外食産業に絞り、業務用食材のWEB販売を展開してきた。だが、それだけなら他業種のWEB販売と大差ない。革新の中核は、受注システムを共有した“卸連合”の構築にある。外食企業の仕入れツールを突破口に、競合関係にある卸各社に対し、“業界標準の必要性”を説いたことが大躍進の原動力となっている。また、多業種の飲食店を手がけ、少量多頻度の物流を必要とするマルチコンセプト外食企業の盛況も追い風といえよう。

ダイヤモンドダイニングの導入事例
89店舗の受発注をたった一人で管理

 嗜好の多様化とコンセプトの短命化により、単一業態での全国チェーン化が難しくなってきている昨今、多業種・多業態を打ち出すマルチコンセプトの外食企業が増えている。

 100店舗100業態を目指すダイヤモンドダイニングは、その先駆。現在、全店異なるコンセプトのダイニングレストランを89店舗展開している(2009年9月末現在)。多くの業種を手がけるため取引卸・メーカーは100社を超えるが、現場主義の徹底により、仕入れの決裁権は各店の店長・料理長に一任。自由発想とスピードの重視が成長の原動力となっている。

 この煩雑な受発注を支えているのがインフォマートの「ASP受発注システム」だ。出店ラッシュが始まる3年前に一斉導入した。本社の受発注担当者はわずか一人。店舗の希望する商品を取りまとめ、約2000品を超える商品の登録・改廃を管理している。

 「取引口座が多くてもシステムが標準化されているので負担は想定以上に少ない。商品登録や価格変更も容易で機動力抜群ですね」と語るのは、89店舗の受発注をたった一人で管理している営業管理部購買課の横濱歩さん。「飲食店が使うのは夜間が多いため、24時間サポート体制があると、もっと助かりますね」と苦言も呈すが、ほぼ理想通りに運用している模様だ。

システム導入に積極的なアライアンスパートナー企業
システム導入により社内業務の効率化につながった売り手企業が、「もっとメリットを拡大したい」との思いからスタートしたのが「アライアンスパートナー制度」だ。受発注システムを積極的に自社の取引先に広げることにより、自社との取引先双方の業務の効率化につなげている。現在の参加企業は加工食品卸を中心に72社(9月末時点、同社HP掲載)

おもなアライアンスパートナー企業(順不同)<
イクタツ、関東食糧、キーコーヒー、クサマ、久世、国分、昌立物産、住金物産、ユーシーシーフーヅ、ユニバーサルフード、菱食、大光、トーカン、マルト水谷、尾家産業、大洋産業、アンキッキ協栄、広栄、大国フーヅ、日進食品、フジノ食品、ハウディ、丸菱、ムラオカ食品、饒田、横濱屋、サカツコーポレーション、のむら本店、幸田、村瀬

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