BtoBプラットフォーム 請求書

経理ITフォーラム2017

開催レポート
経理にイノベーションを起こせ 2017.11.10(Fri.)14:00-16:45 ベルサール九段 ホール

共催:㈱三井住友フィナンシャルグループ、Hongo Connect & Consulting㈱、㈱サイバーエージェント、野村證券㈱ 
主催:㈱インフォマート 

大盛況のうち終了いたしました

2017年11月10日に開催された「経理ITフォーラム2017 ~経理にイノベーションを起こせ~」には、
大手企業の経営者や、経理・財務部門責任者を中心に200名を超える多くの方にご来場いただきました。

当日は、基調講演とパネルディスカッションの2部構成で、経理業務におけるIT導入の必然性や、
スピード経営に向けた今後の経理部門のあるべき姿についてセッションが行われました。

来場者の声

  • なかなか進まない工程削減に道が見えればと思っていましたが”光”がみえてきました
  • 新しい技術によって今後自分に与える影響を知る良いきっかけになりました。また、組織を変えるイメージを考える良い勉強になりました。
  • 電子請求書業界が今後どのような構図になっていくかといった情報が参考になりました。
  • ムダな作業が経営判断を遅らせている一つの要因だと気づいた。
  • スピード経営を実現する為の部下や他部署へ行動を起こす為のきっかけ、wordがはいっていたので、改めて考え方の整理ができた
  • 決算の早期化を試行錯誤していますが、電子請求書の視点はありませんでした。
  • 経理のコア業務とは何かを見つめなおし、それに向けて何をするべきか明確になった。
  • 本社の昔からの体制をいかに改革することができるのかということが非常に参考になった。

・・・など、たくさんのご満足の声をいただきました。

第一部-基調講演-

基調講演中の様子基調講演中の様子
  • フィンテックによって変わる企業経営 株式会社三井住友フィナンシャルグループ ITイノベーション推進部 オープンイノベーショングループ長 桑原 敦史 氏

    「IT」を駆使して提供される、「利便性」「効率性」を備えた新たな金融サービスであるフィンテックが登場し、ここ数年で広がりすっかり定着化しました。また、オープンイノベーションも取り入れながら、既存領域にとらわれず、新しい事業を生み出す取り組みが加速しています。では、なぜフィンテックが勃興しているのか?なぜフィンテック市場が活性化しているのか?

    桑原様には、その現状と、フィンテック導入による効果を「生体認証プラットフォーム」「AI」「API」「IoT」「ブロックチェーン」「顔認証決済」など、様々な事例を交え解説いただきました。

  • スピード経営は経理が決める 辻・本郷税理士法人グループHongo Connect & Consulting 株式会社 代表取締役社長・税理士 市川 琢也 氏

    2030年頃までに99.8%の経理事務作業が人工知能などの技術により自動化されるといわれています。そのような中、人間にしかできない「数字を読む」という経理部門が本来やるべき業務時間を増やし、経営本位の経理部門へとイノベーションを起こさないといけません。

    市川様には、煩雑で多岐にわたる経理業務を削減し、スピード経営に役立つ価値ある経理部門の構築方法を、会計のプロフェッショナルである税理士の視点より解説いただきました。あらゆる企業において、一度は取り組み経験のある「経理業務効率化」について、その重要さに改めて気づかされる内容でした。

  • 電子請求書の今とこれから 株式会社インフォマート 取締役 経営企画本部長 中島 健

    「電子請求書=請求書業務が効率化する」。多くの方が共通して持つ認識ですが、法人向け請求書の電子化は、なかなか進んでいないのが現状です。その大きな要因として挙げられるのは、紙文化の根強い定着、業務フロー変更の手間、多大なコスト負担、など現状維持の考えに基づくものです。とは言え、帳票類の電子保存を推奨する各種法令も整備されたことで、数多くの電子請求書クラウドサービスが出現し、徐々にですが法人向け請求書の電子化に波が押し寄せています。弊社中島からは、請求書クラウドサービスの今後の普及予測と導入メリットについて、弊社BtoBプラットフォーム請求書をもとに解説いたしました。

第二部-パネルディスカッション-

パネルディスカッション中の様子パネルディスカッション中の様子
これからの経理業務の在り方 ~経理のIT化について~
パネラー
株式会社サイバーエージェント 
経営本部経営システム室 
シニアマネージャー 
西村 壮礼 氏
野村證券株式会社 
経費購買戦略 部長 
田中 秀和 氏
Hongo Connect & Consulting株式会社 
代表取締役社長 税理士 
市川 琢也 氏
モデレーター
株式会社インフォマート 
取締役 経営企画本部長 
中島 健
中島
モデレーター:株式会社インフォマート 取締役 経営企画本部長 中島 健

本日のテーマは「これからの経理業務の在り方」です。お三方にはご自身の経験をもとに、乗り越えた苦労話や経理観(今後経理はどうなっていかなくてはいけないのか?それに向けた壁・課題は何なのか?)について伺いたいと思います。

最初は、経理観についてディスカッションしましょう。今後、経理は単純な作業がどんどんなくなっていく、なくなっていく代わりにこういう風に変えていかなくてはならないと、市川先生のお話でありましたが、西村さんはどのような経理観をお持ちですか?

西村
パネラー:株式会社サイバーエージェント 経営本部 経営システム室 シニアマネージャー 西村 壮礼 氏

弊社では、「経営の羅針盤」になる、と言っていますが、経営に対して直言ができる、経理部をそういう役割を担っていく部署にしていきたいと思っています。もうひとつは、もっと事業に近い部署にしていきたいと思います。例えば、事業サイクルでいうと弊社はいろいろな会社があって、いま80社ほどのグループ会社がありますが、実はその一社一社の事業をやっているみなさんというのは、隣の部署だったり、隣の会社であったり、隣の人だったり、何をやっているか、といった情報を意外と持っていなかったりします。

経理部はそれが集まってくる部署になるので、実はグループとしてみると、全てあそこに発注しているじゃないかと。なので、一社一社、ひとつの部署からすると大した金額でない発注でも、実はものすごい金額で会社と取引をしているじゃないかと。じゃあこれ一回まとめてボリュームディスカウントの交渉してみようか、みたいなアクションを起こせるのが経理部だと思います。

田中
パネラー:野村證券株式会社 経費購買戦略部長 田中 秀和 氏

私どもは、当初は「会計経理はとにかく早く」ということで、同じ勘定科目であれば全部いっぺんに計上してしまったほうが早い、ということでやってきた部分もありますが、インフォマートさんの請求書プラットフォームを使い始めてから、そのスピードがだんだん速くなってくるともっと分析したいよね、という風に思うことが多くなりました。全国150ヶ店の営業マンの行動パターンは人それぞれですが、お金の使い方を「交通費」という一本で見てしまうと、よくわからない指導になってしまいます。タクシーを使うなとか、何かをするなとか、そういう一方的な指導になりがちでしたが、データがものすごく細かく早いタイミングでもらえるようになると、使い方を指導することができます。

例えば、遠くに行く場合はこういう風にして、最初は電車、その次はバス、その次は自転車、その次はタクシーという風に、全国の営業マンに使い方を見せることによって、お客様のところにたくさん訪問できたり、コストも下がったりということができるようになりました。もちろん、経営への報告もより正しくなるというのもありますが、付加価値でいうなら、いつも「経費を使うな」とかそういう面倒な指導ばかりしていましたが、「予算はここまでよ」とか、「そうじゃなくてこういう風に使ったらいいんじゃない?」という提案ができるようになってきました。

市川
パネラー:野村證券株式会社 経費購買戦略部長 田中 秀和 氏

我々、税理士なので税務のお話をします。上場系の会社様で税務調査が入りました。その中で議論になったのが、よくある税務と会計の違いです。ある不動産の会社さんで、3ヶ月の賃貸料は無料、残り1年は賃貸料をもらうという契約をしていました。しかし経理側からすると1年間経費がかかっているので、その3か月分もならして年間で経費計上するという会計処理でした。会計処理自体、間違った処理ではないですが、税務調査側からしたときに、3ヶ月はもらっていないのだから是正処置しなさいという調査が入りました。

これは、戦わなくても勝てる話ですが、経理担当者も忙しいので、影響額も考えた結果、戦う意思なく是正処置を受け入れてしまいました。これはすごくもったいないです。間違った処理をしているわけではないのに、調査官と話をする時間が面倒だから諦めるという選択肢をとった、と私は見ていて、それってどうなのかなって。逆に、それがもし調査を受けている経理の方々に、ある程度配慮する余裕があればきちんと戦えたのではないか?と思っています。

中島

要するに、目の前の多くの作業がなくなり、余裕ができれば、税務と会計のギャップのようなところも頭を使って戦っていくことが出来るということですね?

市川

はい。会計的に正しいことが証明できるはずですが、たまたまその時に違う話をしなきゃいけないとか、そういう事情が重なれば重なるほど、影響額が小さいならもういいや、みたいな話になってしまう。そうならないようにちゃんと時間をかけられたら良いなと思っています。

中島

なるほど。ありがとうございます。色々な例をお聞きすると、実感が湧いてきます。私の経験もお話しさせてください。経理だったわけじゃないですが、計数ばかりしていた時に「計数見てるんだからこんなアドバイスできるんじゃないか?」とよくビジネスサイドから言われました。でも、ビジネスの感覚みたいなものがないのでわからない。どうしても、この数字の意味をいちいち考えてる暇がなく、とにかく単なる数字として追いかける、ということになってしまうんだと思います。

大切なのは、経理メンバーとビジネスサイドの会話の場を増やすことだと思います。例えば私の場合、請求書プラットフォームの事業を作っていますが、こうなって、こうなって、と頭の中で見えてきたりする。そんな時は、こういう見方があるんだよ、とビジネス上で思ったことをちゃんと経理にフィードバックするような機会を設けるようにしています。毎日は到底無理にしても、たまにでもありますと経理のみなさまもビジネスの細部が磨かれて、経理発信で色々なアドバイスがたくさんしやすくなるんじゃないか?とみなさんのお話聞いていて思いましたので、お話させていただきました。

資料へ続く