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経理インタビュー『インフォマート財務・経理が語る、インボイス制度についての実態』

消費税仕入税額控除の新方式、「適格請求書等保存方式」(インボイス制度)が2023年10月1日からスタートし、半年以上が経ちました。インフォマートが2023年12月に行ったアンケート調査*では、経理担当者の6割以上がインボイス制度対応による業務負担増を実感していると回答しています。今回は、当社の財務・経理部にインボイス制度対応や業務デジタル化の実態についてインタビューを実施しました。

経理インタビュー『インフォマート財務・経理が語る、インボイス制度についての実態』

最終更新日:2024年6月24日

目次

準備に追われたインボイス制度。始まってからはスムーズな対応

― インボイス制度開始から半年以上が経ちました。現時点での感想をお聞かせください。

今井:インボイス制度のスタートが2023年10月ですので、率直にいうと、もう乗り越えて「過去の話」になった部分はあります。

 ただ、それは制度開始までメンバーが準備に取り組み、社会全体としても各事業者がインボイス制度に対応するといった、協力があっての結果だと思っています。新しい制度ですので、不明な点も多い中で準備を進めた現場はやはり大変でした。

 一方で、当社の『BtoBプラットフォーム 請求書』を自社でも導入していますので、請求書は電子で受け取り、データにより可視化されています。そのため登録番号や記載内容に不備があっても、紙の場合の処理に比べ比較的スムーズに対応できたのではと感じています。

今井 陽介氏(財務・経理部 部長)

野瀬:そうですね、始まる前の準備は大変でした。私は請求書の発行側でプロジェクトに携わり、登録番号や取引日といったインボイス制度に必要な項目に漏れのない対応を考えてシステム化にあたりました。現在月に発行している請求書は3万件以上ですが、どんなに件数が多くても、ボタン1つで簡単に発行できています。

 インボイスに関するお問い合わせなどは今でもあるものの、チームの中でも勉強会を催すなど、日々勉強しながら知見を増やし運用しています。

野瀬 貴世氏(財務・経理部 財務課 課長)

嶋澤:未知の領域で予想ができない部分が多く、準備にはかなり時間をかけましたね。その甲斐あって順調にスタートできたなと感じています。お問い合わせのケースごとに、どう対応していくのか、たとえば法令の解釈なども財務課メンバーで検討し、今も勉強しながら知識を深めている感じです。


嶋澤 静氏(財務・経理部 財務課 係長)

金井:受取側でも、準備は本当に大変でした。ただ、インボイス制度で「取引年月日」や「税率ごとに区分した消費税額」等の記載が必須になり、判断に迷わなくなったのは非常に大きな利点だと思っています。

 これまで、受け取った請求書を見ても「いつの何の取引なのか」が把握できず、忙しい現場の方に直接確認することもありましたが、今は請求書の記載内容でおおよそ判断できるケースが増えました。


金井 俊樹氏(財務・経理部 経理課 課長)


インボイス制度で実感する、業務デジタル化の広がり

― みなさま口を揃えて大変だったという準備、どんな取り組みをされましたか?

野瀬:準備は『BtoBプラットフォーム 請求書』のインボイス制度対応を進めた開発部門も含めて、1年半以上前から進めていました。特に大変だったのが、発行する請求書の種類ごとに、詳細に内容を確認しながら、何が必要か課税対応を検討した点です。

 たとえばサービスのセットアップに対する請求や、決済代行やシステム使用料の請求など、請求書の種類がとても多いので、様々な請求書について漏れがないように細かい対応が必要でした。今まで全体的に把握していた項目も、備考や取引年月日など、何が記載され何が必要か、細かくチェックしたので、自分の知見も少し増えて、勉強になったと思います。大変ではありましたが、プラスになった部分も多かったと感じています。

嶋澤:国税庁が示しているルールをどう解釈するか、特に決済代行などの特殊なケースはどう表記するかすごく悩みましたが、税理士先生の見解を確認しつつ、各部門と話し合いをし対応できました。

 個人的には、取引先様から届く「登録番号を教えてください」という紙の書類への対応が大変でした。制度がスタートする10月頃まで、毎月何十通と郵送で届いていました。財務・経理部はコロナ禍以降、今もテレワークが続いていますが、当時は出社するたび、登録番号を手書きして返送するといった処理に追われました。

 こちらが手書きで回答したものは、おそらく先方の経理担当者もそれを手入力する非効率な作業をしていたのではと思います。登録番号のデータは国税庁のサイトからダウンロードできるのに、と少しもどかしかったです。『BtoBプラットフォーム 請求書』上で、番号も登録できるので、逆に当社側から取引先様にご連絡して伺うことは特にありませんでした。


金井:私の課では、まず社内向けにインボイス制度概要の通知や、取引先様から請求書を受け取る際の留意点などの事前説明会を実施しました。その際、そもそもインボイス制度の法解釈が正確かどうかの判断に非常に苦労しました。消費税法だけでなく、その他の法律に抵触するおそれはないか、税理士先生の意見も伺いながらひとつひとつ確認していきました。正直、説明会前も実施後も、本当に大丈夫だったのかと、毎日不安な状態でした。

 また、取引先様のインボイス制度対応もまちまちで、登録番号を順次登録していただく中、なかなか登録されない取引先様もありました。どう確認をしていくのか、どうお願いすべきか法律の兼ね合いもあり、苦労したところです。

 一方で、紙やPDFで送付いただいている取引先様には、「インボイス制度を機に『BtoBプラットフォーム 請求書』を使ってデータでお送りいただけませんか」と改めてお願いしているのですが、昨今はデジタル化に対する抵抗感がかなり薄れているようです。インボイス制度開始直前にお願いしたところ、「インボイス制度に対応してるのであれば、ぜひ今後はデータで」と、30件ほど一気にデータに切り替えていただけました。社会的にもデータ化はすごく進んでいるなと感じたところです。請求書に限らず、何かをデータでやり取りするメリットも、より明確になっていると思います。

野瀬:以前は「デジタルは認められないので紙でも送ってください」というケースもありましたが、今はほぼありません。逆にこれまで紙だったお客様から『BtoBプラットフォーム 請求書』に切り替えて送ってくださいとの依頼もありますので、社会的な変化を感じますね。

 デジタル化されたお客様は、私たちから請求書を受け取ってすぐに「開封」「承認済」フラグに変わるなど、動きもすごく早くなりました。受取側もWeb上でのやりとりを当たり前のように使いこなせている様子が見てとれます。お客様がデジタルそのもの、クラウド型の電子請求書の利便性や使い勝手の良さに馴染んでおられるのかなと実感しています。

― 電子帳簿保存法(電帳法)の対応はいかがでしょうか?
インフォマートが2023年12月に実施したアンケートでは、経理担当者の7割以上が「電子帳簿保存法(電帳法)への対応で経理業務の負担が増えると思う」と回答しています。

金井:当社では現在、月500枚ほどの請求書を受領しており、その約8割を『BtoBプラットフォーム 請求書』で受け取っています。残り2割のPDFや紙で受け取る請求書は、『BP Storage for 請求書』を利用してスキャンし、最終的に『BtoBプラットフォーム 請求書』に集約しています。

 電帳法の電子取引に係る電子データ保存義務化は2年間の宥恕期間が設けられていましたが、 当社は2022年1月の施行時点で対応が完了していたので、宥恕期間が終わっても特に電帳法に関する業務の変化はありません。




インフォマート「インボイス制度・電子帳簿保存法に関する実態調査」より

*調査概要
調査対象:「BtoBプラットフォーム」ユーザー
調査方法:インターネットリサーチ
調査内容:インボイス制度・電子帳簿保存法に関する実態調査
調査期間:2023年12月15日(金)~12月22日(金)
回答者:518名

アンケートで、「負担が増えると思う」と回答した理由の多くを占めるのが、「紙と電子の混在」です。私たちは自社サービスとして2015年からずっと『BtoBプラットフォーム 請求書』を使い続け、現在は紙と電子の混在はほとんどありません。ただ、過渡期だった5、6年前は紙やPDF、デジタルデータと複数の選択肢があって、やはり処理は大変でした。負担が増えたと感じている経理部門の多くは、似た状況にあるのではと思います。

 請求書に関わる法制度の改正は今後もあると思いますが、『BtoBプラットフォーム 請求書』のようなクラウドサービスを利用していれば、必要な対応はすべてベンダー側が行ってくれるので大きな負担がかかる心配はまずありません。

専門性にとどまらない幅広い知識が求められる経理の未来

― 経理業務の未来はどうなると思いますか?

今井:経理含め、バックオフィス全体でクラウドサービスの利用は確実に増えています。今後はさらにAIやRPAなどを利用した業務自動化が発達していくのではと思っています。もちろん全ての業務がAIに変わるわけではありません。今、人の手で行っている単純作業は自動化されていく一方で、人でなければできない業務、人だからこその業務中心に移行していくのではと思ってます。

 AIやRPAの管理、コントロールという業務が増えることを考えるとITリテラシーも求められます。会計や財務といった経理の知識は前提の上で、より幅広い知識が必要になりそうです。ノンコア業務に人手をかける必要がなくなるぶん、デジタル化で得られたデータを活かした数字の分析やそれに基づいた経営層や関係者への提案といった、経理本来の業務にも、より注力できるようになります。もちろんコミュニケーション能力も求められるでしょう。

 デジタル化が進むほど、経理の専門性にとどまらない、様々なところに目を向ける必要がある時代になっていくと感じています。


監修者プロフィール


『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部

この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。

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