株式会社呉竹荘掲載日 2024年7月23日

全ホテルの仕入れ単価を受発注システムで統一。
年間1000万円のコスト削減を目指します。

利用サービス 受発注(発注) | エリア 東海 | 業種 ホテル・旅館 | 取材日 
株式会社呉竹荘

株式会社呉竹荘はM&Aで事業を拡大し、現在はグループ企業11社でビジネスホテル、シティホテル、リゾートホテルを国内で57施設展開しています。

食材やアメニティなど同一商品でも仕入れ単価が各ホテルでバラバラだったため、管理本部が主導して管理を徹底。『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入して価格統一とスケールメリットを活かし、年間1000万円のコスト削減に努めています。

ココがPOINT!

グループ各社での旧態依然なアナログ業務

―仕入れ業務ではどのような課題があったのでしょう?

株式会社呉竹荘 管理本部 経理・購買マネージャー 宮崎比符美氏(以下同):当社はグループ傘下の11社で57のホテルを抱えているのに、仕入のスケールメリットを活かせていないという声が社内にありました。ホテルごとに別々の取引先様から食材やアメニティなどを仕入れていたため、同じ物品でも単価が高かったりしていたのです。

また、どの拠点でも過去の仕入れ内容を確認するには倉庫の段ボールをひっくり返して、大量の伝票の中から目的の1枚を探すなど、相当な手間がかかっていました。

社内では購買はもちろん、経理でもペーパーレス化を考えない者はいませんでしたし、労務も法務も人事も、とにかく業務を一元化、IT化しようというニーズがありました。IT化で業務を軽減し、残業時間の短縮を図ることは、離職率が高く採用難といわれているホテル業界では必要な取り組みだと思います。

管理本部 経理・購買マネージャー
宮崎 比符美 氏管理本部
経理・購買マネージャー
宮崎 比符美 氏

呉竹荘 食事例 1

―IT化はどのように着手されたのでしょうか?

2022年に全ホテルの業務を統括する管理本部が設置されました。私はグループ内のホテルで経理をしていたのですが、管理本部ができた際に異動して専任で担当することになりました。まず着手したのが、購買部門における仕入れのIT化です。管理の一元化で購買業務がもっとも効果が大きいと考え、システム選びを始めました。

呉竹荘 食事例 2

システム導入前は、グループ内の担当者が、管轄のホテルをまとめて仕入などの経理業務をしていました。現場から経理担当者に送られた請求書と会計システムを突き合わせて、振込などの処理を手作業で入力していくのです。数字の正確性はもとより、照合作業だけで毎月どの施設でも数日かかっていました。

さらに、電話での言った言わないといったトラブルや、手書きのFAXが読めない、金額が合わないといった問題がありました。紙の伝票では、経理担当者と現場、取引先との間で煩雑なやり取りが発生します。そういったことを解消しようと、あらゆる受発注システムの会社に資料請求して、7~8社ほどを比較検討しました。結局、お取引先様の負担が少ないシステムが最もいいということで、インフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入することにしたのです。

取引先の多くがインフォマートのシステムを使っていた

―受発注システムを使い始めるまでの準備はたいへんでしたか?

50施設以上あるホテルのすべてのお取引先様を合計したところ、約400社600拠点ありました。まずは受発注システムを使っていただくために、ご協力をお願いする手紙やメールを送りました。法人ごとにエクセルで10ページほど、新聞1部以上あり、システム利用の案内を作ります。

呉竹荘 外観

幸いにもインフォマートのシステムが広く利用されていたことで、当社のお取引先様の中にもすでに利用しているところが多く、結果的に8割強のお取引先様にシステム導入を同意していただきました。少額取引の仕入業者様でも、インフォマートの料金プランには取引金額が10万円未満ならシステム利用料が無料になるものがあることをご案内して、ご協力いただきました。

問題は仕入れ品の単価統一でした。単価の調査では、グループ各拠点の仕入担当や調理担当には前職でインフォマートを使っていた者もおり、準備期間にはアドバイスももらいました。作業は大変でしたが、稼働後の期待が上回り負担とは思いませんでした。

―導入から1年が経ちました。効果はいかがですか?

グループ全ホテルの仕入れ価格を統一した効果は、やはり大きかったです。品目ごとに商品や仕入れ業者、単価を整理して統一を進めたのです。トイレットペーパーは特に効果がありました。以前は商社を介して仕入れていた施設が多かったのですが、製紙工場から直接納入するように変更し、かなりの金額を削減できたと思います。食材、備品、消耗品などを合わせれば、仕入れ価格の統一効果などで1000万円以上の削減効果が出ていると思います。

さらに、良い仕入品がグループ内に広がったことも嬉しい結果です。あるホテルでお取引先様からサンプル品の試食などの営業提案を受けた際、品質が良かったら「この商品を他のホテルも使ってみては」と提案が出るようになりました。現場から推薦された業者様を本部が招待して、全社に投げかけることもしています。

呉竹荘 館内

呉竹荘 広間内観

―時短の効果はいかがでしょうか?

本部ではデータ入力がほぼなくなり、請求書との突き合わせもなくなったので、時短効果は大きいです。取締役からデータを見たいと要望があったときも、システムで検索してすぐ出せるようになりました。私自身の業務でいえば、月末の入力から解放されて、2~3日分の業務が削減されました。

また、各拠点の支配人の負担も軽減されたと思います。スタッフとインフォマートでの入力や突き合わせを分担することもできるようになったので、空いた時間をお客様とのコミュニケーションの時間に充てもらいたいというのが会社の考えです。

仕入れのIT管理が全社DXの第一歩に

―今後の展望についてお聞かせください。

各ホテルの厨房では、お客様のご利用状況に応じて、どうしても締め時間ギリギリの発注になることがあります。その際の注文は、システムでなく電話に頼らざるを得ません。この改善は難しいですが、なんとか体制を整えていきたいと思います。

グループ全ホテルの購買・経理業務のDX化とはまだ端緒についたばかりですが、コスト削減や業務時短化のほか内部統制も強化でき、管理本部の体制は整いました。同時に進行していた採用、勤怠、給与といった人事システムのDX化も整っておりますので、全業務でペーパーレス化、IT化を図っています。グループ会社内の行動指針で「常に新しい価値へのチャレンジ」というものがあります。現状を最良と考えず、関わる全ての人にとって価値ある何かに挑戦することが大切という意味で、『BtoBプラットフォーム 受発注』の導入は、全社DX化の第一歩の挑戦として大成功であったと思います。

株式会社呉竹荘が利用しているサービスはこちら

関連リンク

株式会社呉竹荘

本社所在地静岡県浜松市中央区東伊場1-1-26
設立1950年7月
事業内容ホテルの運営
企業サイトhttps://www.kuretakeso.co.jp/
>この企業情報とニュースを見る