無料オンライン相談

請求書をメールで送るときの注意点は?メリットや文例を紹介

請求書の送付にあたって、従来は紙の請求書を郵送する方法が一般的でした。しかし、最近では請求書をメールに添付して送る方法が増えてきています。 請求書をメールで送ることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。今回は、請求書をメール送付する場合の注意点や、具体的な文例を含めて解説します。

請求書をメールで送るときの注意点は?メリットや文例を紹介

最終更新日:2024年6月6日

目次

請求書はメールで送付しても問題ない?

請求書をメールで送付することは、法律的に問題ありません。

そもそも請求書とは、契約書で定義された内容にもとづいて商品やサービスを提供し、その対価として発生した料金の支払いを顧客に求めるために提示する書類のことをいいます。

ただし、請求書の発行は法律上の義務ではなく、明確なルールは存在しません。極端な話、請求元と請求先の両者が合意していれば、口頭での約束でも取引は成立するのです。
 
しかし、支払いトラブルが発生した場合には、客観的な事実にもとづいて取引の存在を証明するものが必要となります。その際に、請求書は顧客との行き違いや支払い漏れなどを防いでくれるほか、税務調査の際には支出の証明書として役立ちます。

ですから、請求書は取引の締日に発行し、適切に管理することが重要です。
 
なお、PDF化してメールで送付した請求書や、電子帳票システムを使ってやりとりした請求書も、郵送した請求書と同じように有効書類として認められます。

請求書をメールで送る際の注意点

請求書をメールで送付することに問題はありませんが、送付に先立って知っておかなければならないことがいくつかあります。ここでは、請求書のメール送付における注意点をご紹介します。

顧客へ事前確認を行う

請求書をメールにて送付したい場合、まずは顧客に、請求書をメール送付することの是非について、確認をとる必要があります。
 
請求書の扱いには規程がないため、独自のルールで運用している企業は少なくありません。中でも、紙の請求書の送付を原則化している企業の場合、了承を得ずに請求書をメールで送付することによって、顧客の信頼を失うことも考えられます。
 
必ず了承を得てからメール送付を行い、紙の請求書を求められた場合は別で郵送するようにしましょう。なお、メール送付についての確認の際に、ファイル形式についてもヒアリングしておくと後の作業がスムーズです。

押印について確認する

請求書は押印がなくても効力を発揮しますが、会社によっては押印をもって正式な書類とみなすこともあります。
 
請求書をメールで送ることについて了承を得たら、押印が必要か否か、また電子印鑑でも良いかを確認しましょう。押印が必要で、電子印鑑を受け付けていない場合は、紙の請求書に押印してからPDF化しなければなりません。

ファイルが添付されていることがわかるようにする

請求書をメールで送る場合、請求書を添付していることが「件名」からわかることが望ましいです。
 
顧客の受信トレイには、毎日たくさんのメールが届きます。ほかのメールに埋もれて支払いが遅延しないよう、「請求書を添付したメールであること」を件名で示しておくことをおすすめします。
例えば、下記のような書き方をするといいでしょう。
 
<件名例>
【請求書】●月分の請求書を添付いたします/◯◯株式会社

請求書はPDF形式で送る     

請求書の電子データは、PDFなどの編集できない形式で送付します。なお、PDF化した請求書をメールで送付する場合は電子取引に該当し、20221月に施行された改正電子帳簿保存法に則って扱わなくてはなりません。
 
この点については、後程解説します。

ファイルにパスワードをかける

メールで請求書を送る場合は、セキュリティを高めるために、パスワードをかけることを推奨します。ファイルにパスワードをかけることで、宛先の設定ミスで第三者に誤送信した場合にも、情報流出や情報の改ざんを防止できます。

請求書をメールで送る際の文例

請求書をメールで送る場合、件名で請求書が添付されていると知らせることと、郵送における送付状の役割を本文に持たせることが重要です。
 
ここでは、メール送付後に紙の請求書を送る場合と送らない場合、それぞれのメールの文例をご紹介します。

メールで請求書のPDFデータを送り、紙の請求書を郵送しない場合

メールで請求書のPDFデータを送り、紙の請求書を郵送しない場合の文例は下記のとおりです。
 
件名:
【請求書】●月分請求書送付のご案内/◯◯株式会社
 
本文:
△△株式会社 ××部××課
◯◯◯◯様
 
いつも大変お世話になっております。
◯◯株式会社の××です。
 
「××(サービス名、商品名)」について、添付にて●月分請求書を送付させていただきます。
ご査収の上、請求書記載の振込先に◯月◯日までにお振込みください。
 
【添付内容】
ご請求書(請求書番号0000-00000)1通
 
誠に勝手ながら、振込手数料はお客様にてご負担いただきますようお願いいたします。
何かご不明な点がございましたら、××までご連絡ください。
また、紙の請求書を郵送する必要がございましたら、その旨ご一報いただければ幸いです。
 
今後ともよろしくお願い申し上げます。

メールで請求書のPDFデータを送り、紙の請求書も郵送する場合

メールで請求書のPDFデータを送り、紙の請求書も郵送する場合の文例は下記のとおりです。
 
件名:
【請求書】●月分請求書送付のご案内/◯◯株式会社
 
本文:
△△株式会社 ××部××課
◯◯◯◯様
 
いつも大変お世話になっております。
◯◯株式会社の××です。
 
「××(サービス名、商品名)」について、添付にて●月分請求書を送付させていただきます。
ご査収の上、請求書記載の振込先に◯月◯日までにお振込みください。
なお、こちらの請求書の原本を郵送にてお送りいたしました。併せてご確認ください。
 
【添付内容】
ご請求書(請求書番号0000-00000)1通
 
誠に勝手ながら、振込手数料はお客様にてご負担いただきますようお願いいたします。
何かご不明な点がございましたら、××までご連絡ください。
 
今後ともよろしくお願い申し上げます。

請求書をメールで送るメリット

従来は紙で送付されてきた請求書ですが、メールで送ることでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、請求書をメールで送るメリットについてご紹介します。

郵送のコストを削減できる

紙の請求書を郵送する場合、郵送に関するコストがかかります。請求書をメールで送付することで、請求書の印刷代や紙代、郵送費などを削減できます。
 
また、2023年12月に総務省は、手紙とはがきの郵便料金を引き上げる案を諮問しました。これにより、料金改定がある場合は、今以上に郵送コストがかさむことが予想されます。

請求書の発行・発送処理を効率化できる

紙で請求書の発行・送付する場合には、人的コストや時間的なコストもかかってきます。
 
請求書管理ソフトで請求書を作成・印刷した後、宛名・金額・明細を販売管理ソフトの情報と照らし合わせ、封筒への印刷・封入・投函までを担う担当者の人的コストと時間的コストは甚大です。
 
また、紙の請求書を保管するとなると、文書保管サービスなどに依頼する場合もあり、保管コストもかかるでしょう。
 
請求書をメールで送ることで、従来の作業を圧縮でき、請求書業務にかかるコストと負担の軽減が期待できます。それにより、請求書の発行・発送処理業務がシンプルになり、効率化できるのもメリットのひとつです。

郵送トラブルを防止できる

請求書を郵送した場合、宛名や住所の書き間違いによって第三者の手に請求書が渡るリスクがあります。また、郵便法の改正によって、郵便物やゆうメールの配達日数が繰り下げられ、翌日配達のサービスは原則なくなりました。それにより、顧客が設定した締切日までに請求書が到着しないというリスクも考えられます。その点、メールで請求書を送付する場合は、即時で対応できるため、締切までに間に合わないという問題を回避できるでしょう。
 
請求書をメールで送った場合でも宛先のミスは起こる可能性がありますが、発送にかかる作業や時間が短縮できる分だけ、顧客の手元にミスなく請求書が届く可能性が高まります。

再発行した請求書の送付がスムーズになる

請求書の内容に修正が必要だった場合、再発行した請求書を即送付できるのもメールで送る際のメリットです。
 
不備を修正した請求書を普通郵便で郵送する場合、顧客の手元に届くまで数日かかり、顧客を待たせることになります。
 
メール添付のほうがスムーズに対応でき、顧客の不満につながりにくいでしょう。

請求書をメールで送るデメリット

請求書を郵送からメール送付に変えると多くのメリットがある一方、注意すべきことも存在します。ここでは、請求書をメールで送る4つのデメリットをご紹介します。

システム導入・運用のコストがかかる

請求書をメールで送る場合、スキャニングのための機器や会計ソフトなどを導入する費用がかかる可能性があります。導入する機器の台数やソフトウェアの種類によっては、大きな初期投資になることも考えられます。月ごと、年ごとにランニングコストがかかるソフトウェアもあるため、導入前に必ず確認しておきましょう。

データの情報漏洩のリスクがある

パソコンがウイルスに感染した場合、請求書の情報が漏洩する可能性があります。人的ミスによる情報漏洩のリスクもゼロではありません。
 
社内に電子データの取扱規程を設けるほか、パソコンのウイルス対策を定期的に見直すことが大切です。

紙での請求書を希望する顧客がいた場合、対応が求められる

請求書のメール送付を打診し、断られた場合には、紙の請求書の作成・印刷・郵送を別途行う必要があります。メール送付を希望する顧客と紙の請求書を希望する顧客がいるときは、2通りの対応を行わなければなりません。
 
顧客の大半が紙でのやりとりを希望した場合、従来と負担が変わらないため、導入を決める前に顧客の希望を確認しておきましょう。

受け取る側に負担をかける場合がある

請求書をメール添付することによって顧客の作業が増え、負担が増すことがあります。
 
メールに添付したPDFの請求書は電子データにあたるため、受け取る側となる顧客も電子帳簿保存法の電子取引要件を満たした形で請求書を保存する必要があるからです。さらに、メールでPDFの請求書を受け取った場合でも、会計ソフトへの手入力が必要なため、紙の請求書と労力は変わらず、受け取る側は楽にはなりません。こうした点からも、あらかじめ顧客の理解を得ておくと安心です。


請求書の電子帳簿保存法への対応

前の項目でもふれたとおり、2024年1月の電子帳簿保存法の改正により、顧客と電子データでやりとりした書類は、同法の要件を満たした状態で保存することが原則となりました。請求書をメールで受け取った場合も、その対象となります。対応すべき点は下記の3つです。
 
電子帳簿保存法における電子請求書の保存要件>
(1)電子データで保存する必要がある
受け取った電子請求書は、電子データとして保存します。紙での保存は原則として認められていません。
 
(2)検索性を向上させる必要がある
保存した電子データは、原則として「年月日」「金額」「顧客」の3項目で検索できるようにしておく必要があります。
 
(3)改ざん防止のための措置をとる必要がある
下記のいずれかの方法で、データの改ざん防止対策を講じる必要があります。
 
・訂正削除の記録が残る、または訂正削除ができないシステムを利用する
・タイムスタンプを付与する
・訂正削除の防止に関わる事務処理規程を備え付けておく
・変更できないファイル形式にする
 
(2)と(3)に関しては、請求書を電子データ化することによるメリットを上回る手間が予想されるため、法律に則った形で電子請求書を保存できるシステムの導入をおすすめします。
 
※電子帳簿保存法の詳細については「電子帳簿保存法における請求書発行側の対応は?注意すべきことを解説」をご覧ください。

 

請求書をメールで送りたい場合は、「BtoBプラットフォーム 請求書」の導入を検討しよう


請求書のメール送付は、紙の請求書の煩雑さを解消できる方法のひとつです。紙の請求書の発行や管理にお困りの方は、メールで請求書を送る形式に移行してみてはいかがでしょうか。

ただし、電子請求書をメールで送る場合は電子取引にあたり、電子帳簿保存法に即した方法でデータを保存する必要があります。人的ミスによる情報漏洩などにも注意しなくてはなりません。より手間を削減して効率的に電子請求書を管理したい場合は、電子帳簿保存法に対応したシステムを利用し、効率的な保存を実現しましょう。
 
請求業務のデジタル化・電子化を始めたい場合は「BtoBプラットフォーム 請求書」がおすすめです。「BtoBプラットフォーム 請求書」は、請求書をデジタルデータで発行・受取できるシステムです。  発行側と受取側がデジタルデータ     でやりと     りでき、ほかシステムとの連携も可能なため、会計ソフトへの手入力の     手間や入力ミスがなくなります。電子帳簿保存法にも対応しているため、電子請求書にかかる保管コストや管理の手間がかかりません。

すぐにシステム導入することが難しい場合は、電子帳簿保存法の電子取引とスキャナ保存の要件に対応できるツール「BP Storage」での電子帳簿保存法対応もご検討ください。

 

よくある質問

Q. 請求書に添える挨拶文は?

請求書の送付メールに記す挨拶文は、通常のビジネスメールと同じ簡素なものでかまいません。時候の挨拶など、手紙のように形式ばったものはあまり一般的ではありません。
 
もし、メールの文面を丁寧にしたい場合は、「貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」「平素は格別のご愛顧を承り、厚く御礼申し上げます。」「〇〇の候、貴社益々ご発展のこととお慶び申し上げます。」といったように書くといいでしょう。
 
なお、全体の例文については「請求書をメールで送る際の文例」をご確認ください。

Q. 請求書をメールで送る時の形式は何がありますか?

請求書をメールで送るにはPDF形式で添付して送る方法と、電子請求書システムで作成したデジタルデータ形式の請求書をメールで通知する方法があります。
 
請求書をPDF化する方法は「請求書のPDF化は法的に有効?紙と比較したメリットや注意点を解説」の記事をご覧ください。

Q. 請求書で「貴社」と「御社」の使い分けは?

どちらも相手の会社を敬う表現ですが、書き言葉の場合は「貴社」、話し言葉の場合は「御社」と分類されます。したがって、請求書を送る際には紙、PDF、デジタルデータ、郵送、メールいずれの場合でも「貴社」を使用しましょう。

 

監修者プロフィール

宮川 真一

岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業、1997年から税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは20年以上たちました。現在は、税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、M&Aや事業承継のコンサルティング、税務対応を行っています。あわせて、CFP®(ファイナンシャルプランナー)の資格を生かした個人様向けのコンサルティングも行っています。また、事業会社の財務経理を担当し、会計・税務を軸にいくつかの会社の取締役・監査役にも従事しております。

【保有資格】CFP®、税理士

請求書を電子化して、経理業務のコスト削減!
BtoBプラットフォーム請求書の詳細はこちら

BtoBプラットフォーム 請求書 資料ダウンロードはこちら
3分で詳しくわかる!「BtoBプラットフォーム 請求書」資料ダウンロード
  • 3分で詳しくわかる!「BtoBプラットフォーム 請求書」
  • 経理のトレンド理解や業務改善に役立つ『お役立ち資料』

電帳法・インボイス制度の対応も
業務効率化もこれ一つで!

BtoBプラットフォーム 請求書
資料ダウンロード

詳しくわかる資料をプレゼント
  • 01.本サービスの概要、特徴
  • 02.導入により改善・削減できる内容の事例
  • 03.本サービスの料金体系
  • 04.他社サービスとの機能比較一覧