DXであなたの自治体・地域の企業を「ゆるブラック」にしない

2023/11/17
DXであなたの自治体・地域の企業を「ゆるブラック」にしない

近年話題の「ゆるブラック職場」とは?

最近、「ゆるブラック職場」というワードが時々話題になります。仕事は楽・職場環境は良好でも、定型的で単純な業務が多く、自身の成長・自己実現・社会貢献といった仕事のやりがいを重視する人々が、就職したくない・離職したいと考える職場です。

そんな中、地方自治体の離職者の増加・採用試験の倍率低下の話をよく聞きます。様々な要因が考えられますが、「行政機関は20代で大きく成長できる可能性が特に低い」という社員口コミデータの分析(オープンワーク(株)働きがい研究所 2019年)もあり、職場の魅力度も自治体職員減少の一因となっていると思います。

請求書の収受や内容確認・支払等の庶務事務・法令等で決められたマニュアル通りの業務は、ミスが許されず、緊張を強いられる大切な業務ではあるものの、自らのスキルや能力の成長につながらないと考える職員は多いと思います。

DXの力で脱「ゆるブラック職場」を!

現在、BtoBプラットフォーム等のDXツールを活用し、定型的な業務を省力化・効率化し、新たな政策の企画立案など、自身の成長や大きなやりがいを感じる業務にもっと注力する職場を作ることは可能です。

にもかかわらず、あえて単純で定型的な業務に従事させることは、仕事のやりがい・住民の幸福創造への貢献・自分の成長などを重視する職員の離職を招きます。そうしたやりがいを重視する公務員の志望者を減らすことは、自治体にとって大きな損失です。

地域の企業にとっても状況は同じです。自治体が率先して地域のDXを実現し、単純かつ定型的な業務の省力化を推進し、自己の成長を目指す人材が集積する地域として、『住民の成長』と『地域の成長』を目指しませんか。

本コラムの著者プロフィール

松藤 保孝 氏

一般社団法人 未来創造ネットワーク 代表理事
松藤 保孝

自治省(現総務省)入省後、三重県知事公室企画室長、神奈川県国民健康保険課長、環境計画課長、市町村課長、経済産業省中小企業庁企画官、総務省大臣官房企画官、堺市財政局長、関西学院大学大学院 法学研究科・経営戦略研究科教授、内閣府地方創生推進室内閣参事官等を歴任し、さまざまな政策の企画立案、スリムで強靭な組織の構築、行政の業務方法や制度のイノベーションを推進。一昨年退官後、地域の個性や強みを生かすイノベーションを推進する活動を行う。

関連記事