自治体の働き方改革に、会計事務DXは欠かせません。
民間企業には浸透しつつある働き方改革ですが、自治体には未だ厳しい現状があります。テレワーク普及率は低く、職員数は年々減少して一人あたりの業務量が増え、時間外労働も無くなりません。この先、日本の高齢化が進めば、自治体業務は増えていく一方でしょう。
こうした状況を打破するには、庁内DXは必須です。特に会計事務DXは業務時間とコストの削減に欠かせません。会計事務DXに関する考え方・取り組み方は、こちらの記事にて詳細をご覧ください。インフォマートはシステムの導入だけでなく、会計事務DXの道筋を共に考えます。遠慮なくご相談ください。
本記事では、2023年7月に開催された「第4回GtoB会計事務DX研究会」から、デジタル田園都市国家構想推進交付金を活用して、電子請求システムを導入する東久留米市の事例をご紹介します。デジタル田園都市国家構想推進交付金については、内閣府において次年度の予算確保に向けて調整をしているようです。交付金の活用がDXの財源確保の一助になれば、と思います。
■ 目次
会計事務における地域の課題
地域事業者の課題
- 納品書や請求書は押印の上、市役所に郵送または持参する必要があり、事業者に郵送費用や移動等の負担がある。
- 請求書を郵送した場合、担当課が受け取るまで2~3日かかり、その後会計事務が行われるため、入金まで時間を要する。
- インボイス制度や電子帳簿保存法に対応したシステムを用意する必要がある。
東久留米市の課題
- 支出伝票は年間約35,000件。1日約150件の処理をするため、職員の業務負荷が大きい。
- 繁忙期は審査に数日かかり、支払遅延のリスクが大きい。
- 支出事務では不備による差し戻しにより支払い処理が遅れる。
- 添付書類(クリップが外れるため)の紛失の可能性や添付漏れがある。
- 会計事故再発防止対策として、内容確認のための添付資料の増加など、会計課と原課の負担が多い。
東久留米市と事業者間の取引における課題
- 電話やメールでのやり取りをしており、双方の担当者が不在の場合は再度連絡が必要である。
- 請求内容に誤りがあると、何度も納品書や請求書の確認が発生する。
デジタル田園都市国家構想推進交付金の活用
東久留米市は会計事務における地域事業者の課題解決のため、デジタル田園都市国家構想推進交付金(デジタル実装タイプTYPE1)を活用して、電子請求システムを導入を検討。
デジタル田園都市国家構想推進交付金（デジタル実装タイプTYPE1）とは...
デジタルを活用した地域の課題解決や魅力向上の実現に向け、他の地域等で既に確立されている優良なモデルやサービスを活用して、地域の個性を活かしたサービスを地域・暮らしに実装する事業に取り組む地方公共団体に対し、その事業の立ち上げに必要な経費を国が交付金により支援するもの。
※補助率:1/2 交付上限額:1事業あたり国費1億円(事業費ベース2億円)
システム導入による、会計事務DXの取り組み
東久留米市では令和6年3月より、当社のBtoBプラットフォーム TRADE+契約書+請求書を導入。併せて財務会計システムに電子決裁機能を搭載。
これにより、東久留米市は事業者と見積依頼から契約、発注、納品書、請求書までの発行・授受・保管が電子データで可能となる。事業者は本システムを活用することで、帳票の確認や差し戻し、郵送等に伴う業務時間とコストの削減、テレワークの推進及び各制度への対応を図ることができる。
東久留米市が将来的に実現したい地域像
- 地域全体の生産性を高め、人や資金をより高い付加価値を生む業務に分配できるような地域の実現を目指す。
- BtoBプラットフォームを活用する事業者同士でも会計業務のやりとりをすることが可能なため、電子請求システムを活用する事業者を段階的に拡大し、地域全体のデジタル化を実現していきたい。
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