電子契約の押印手順の見直しで 効果を最大限に!

2024/03/13

こちらの記事でも触れました、契約書の電子締結(契約書DX)についてお話したいと思います。契約書DXを望む自治体が全国で急増していることと、障壁の一つに制度設計が挙げられることは、既にお話しました。

前号では制度設計の中の「タイムスタンプ(付与日)と契約書(PDF)の書面上の“契約日”のズレ」にどう対処するか、当社なりの見解をお伝えしましたが、今号では「契約締結時の押印の順番」について、当社が考える電子契約の流れをご提案したいと思います。自治体DXのためには、システムの運用とそれを活かす制度設計が必要です。それが官民双方の真の効率化に繋がります。

当社は現状のヒアリングや実証実験などを経て、各自治体に最適なシステムの運用と、そのための制度設計のご提案もさせていただいています。DXの効果をより実感していただくために、最大限のサポートを致します。DXに関することなら、いつでもご相談ください。

押印の順番をどのように考えますか?

今回は契約締結時の押印の順番について考えてみます。従来の契約書と押印の流れは以下のようだと思います。

①自治体が契約書を作成し、事業者へ郵送する。

②事業者が契約書に押印し、返送する。

③自治体が契約書に押印し、保管する。

なぜ、この流れなのか、自治体にヒアリングをしたところ、次の回答が大半を占めました。

契約内容や金額の書き換えなど、事業者による改ざんを防止するため

特に定めはないが、昔からの慣習だから

契約事務取扱規則で規定があるから

このため、電子契約の導入後も従来どおり、事業者が先に契約書に押印し、自治体が内容確認をして押印する流れをお考えの自治体が多いです。
しかし、これではデジタル化の効果が存分に発揮できないかも知れません。電子契約ツールの本質と取引先の運用の手間も含めて、当社は契約締結の流れを変えるご提案をしています。

押印の順番を変えて、電子契約の効果を最大限に!

BtoBプラットフォーム 契約書 導入後のイメージ(当事者型での運用の場合)

当社のBtoBプラットホーム 契約書は、発行側が先に電子署名を付与する仕組みです。その後、受取側で内容を確認し、不備があれば差し戻し、問題がなければ、受取側が電子署名を付与したタイミングでタイムスタンプが発行され、契約締結完了となります。自治体が先に押印することで契約内容の修正はできないため、事業者による改ざんの心配はなくなります。契約書の文言の確認も不要になり、大幅な工数削減に繋がることと思います。

なお、契約事務規則で押印順番を定めている場合は、規則の見直しが必要になると思いますが、当社が確認したところ、契約事務規則を変更した団体は確認できませんでした。

契約事務規則を変更せず、前号でご紹介した契約日に関する条項を定めた内容で、電子契約ツールを運用されている団体が多いようです。

これらも踏まえた実事業者③受取側は画面上の契約書に電子署名契約締結完了送られた契約書の改ざんは不可証実験や、より効果の高い運用方法のご提案を当社は実施中です。

契約書DXに向けた実証実験の方法

今回は契約書DXに向けた実証実験で、自治体の各担当者が行なう役割についてご説明します。

実証実験は、当社の電子取引システムBtoBプラットホーム 契約書を用いて、自治体と事業者との契約書の受け渡しを想定し、事業者側の操作も含めた模擬的な方法で検証を実施します。
その際、自治体における各担当者の役割は以下のようになります。

担当課の起案者

  • 現行の契約処理について当社のヒアリングに回答し、現行の契約処理に要する時間を計測する。
  • 電子契約書システムの操作を確認し、契約書の受取から契約締結までの自治体側の操作を実際に行なってみる。その後、ヒアリングに回答する。

担当課の決裁者

  • 決済業務についてのヒアリングに回答し、課題事項の精査と、現行の処理に要する時間を計測する。

契約課

  • 契約処理全般についてのヒアリングに回答し、課題事項の精査と、現行の処理に要する時間を計測する。

BtoBプラットフォーム 電子契約書 検証実施者の役割

電子取引システムBtoBプラットホーム 契約書を用いた、自治体と事業者との契約書の受け渡しのイメージ図

こうして行なわれた検証の結果は、契約書の締結・管理を一元化することで、契約業務にかかる時間が平均で67%削減されています。

会計事務等DXの実証実験に興味をもたれましたら、当社までお問合せください。

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