第3回 GtoB会計事務等DX研究会 のご報告: 前橋市の押印廃止への取り組み

2023/10/31

2月に開催した第3回「GtoB会計事務等DX研究会」では、過去最高の29団体43名のDXご担当者様が参加され、活発な意見交換が行なわれました。

本記事では、基調講演で群馬県前橋市のご担当者様にお話いただいた「請求書の電子化に関する実務的な対策のポイント」の中から「押印廃止への取り組み」を具体的にご説明したいと思います。また、グループディスカッションの内容も一部ご紹介します。
研究会に参加すると、規模や条件の似た自治体の事例からDX推進のヒントが得られます。また、DX担当者同士の意見交換は、直面する課題を共有し、解決への糸口を探ることができます。
今、全国で多くのDX担当者が奮闘しています。共にDXを成し遂げましょう。インフォマートは、当研究会を通じて、あるいは当社製品のご提案を通じて、自治体の皆様の会計事務DX推進をサポート致します。

第3回 GtoB会計事務等DX研究会 のご報告①:前橋市の押印廃止への取り組み

請求書をデジタルで授受する環境を整えるには、事業者から受け取る請求書の代表者印を廃止または省略処置する必要があります。当社のBtoBプラットホーム請求書にてデジタル化の実証実験をされた前橋市では現在、以下のような制度設計を行って請求書のデジタル化を進めています。

制度設計の進め方

制度設計① 令和3年3月、前橋市が事業者へ「請求書の押印廃止」のお知らせを実施

お知らせ内容:事業者の押印を省略する場合に必要な措置 ※一部抜粋

  • 請求書に住所・氏名等の必要事項に加え「発行責任者及び担当者」の氏名・連絡先(電話番号)を必ず記載すること。
  • 請求書に記載した連絡先(電話番号)に、前橋市から本人確認の連絡をする場合があること。

制度設計② 前橋市財務規則における「押印」部分の整理

前橋市では「押印」の文言を削除する規則の整理を行いました。

改正前 第58条 ※一部抜粋

支出命令書等に添付する請求書は、債権者の記名・押印(法人その他の団体等にあっては、代表者の資格権限又は職務上の表示及び押印)したものでなければならない。

改正後 第58条 ※一部抜粋

支出命令書等に添付する請求書は、債権者の記名(法人その他の団体等にあっては、代表者の資格権限又は職務上の表示)したものでなければならない。

押印省略の効果

押印省略の効果①

  • 個人...補助金などで押印省略による請求の割合が増加。
  • 事業者...緩やかではあるが、工事などで押印省略による請求の割合が増加。

押印省略の効果②

  • 各種押印書類が同一印影であるかの確認作業が減少
  • 電子受領を可能としたことで、事業者側も移動や郵送などのリードタイムが短縮
  • 是正後の再提出なども短時間で対応可能となり、支払い遅延が抑制

ご参考になったでしょうか?前橋市のように、請求書のデジタル化に向けて押印廃止や会計規則の見直しを進める自治体が増えています。
こちらの記事では、自治体と事業者間の取引における「請求書デジタル化のポイント」について、当社の見解をお伝えします。

第3回 GtoB会計事務等DX研究会 のご報告②:自治体グループディスカッション レポート

第3回「GtoB会計事務等DX研究会」では、各自治体のDX部門または会計部門のご担当者による意見交換の場として、5団体ずつに分かれてグループディスカッションを行ないました。
その内容の一部をご紹介します。

議題① 予算執行DXに向けた各団体の取り組み状況共有

支出負担行為兼支出命令(兼命令)の活用といった支出業務の簡素化・効率化を進めている。

A自治体職員アイコン

A自治体
(人口40万人)

議題② 参加自治体から前橋市への会計事務等DXに関する質問

押印廃止など既存の会計業務フローを変えることに、会計課の抵抗はなかったか?

B自治体職員アイコン

B自治体
(人口30万人)

前橋市のDX計画で内部事務等DX推進を掲げており、担当課と会計課で共通認識としていた。当初、会計課では抵抗もあったが、担当部門と協議を重ねて進めることが出来た。

前橋市アイコン

前橋市

議題③ 各団体における押印廃止の取り組み状況共有

押印廃止は会計室が主幹で推進。会計規則も改訂済み。

B自治体職員アイコン

C自治体
(人口30万人)

申請書を提出済みの事業者は請求書への自社の押印省略を可能とした。

D自治体職員アイコン

D自治体
(人口20万人)

議題④ 決裁業務の電子化に向けてどんな課題がありそうか?

決裁業務を電子化したとしても、現状は紙で請求書を受け取っているため、紙請求書や添付資料をスキャンする手間があると考えている。今後、電子化を検討していきたい。

E自治体職員アイコン

E自治体
(人口1万人)

他団体への質問を中心に議論は活発化し、各自治体のDXの取り組みや現状の課題、解決のための対策などが共有されました。参加された皆様から「他団体とディスカッションできる貴重な機会になった」と嬉しいお声をいただいています。また「次回はさらに深掘りした内容で話し合いたい」との感想も多く寄せられました。

GtoB会計事務等DX研究会は、令和6年度も開催予定です。さらに多くの自治体の皆様のご参加をお待ちしております。

他団体への質問を中心に議論は活発化し、各自治体のDXの取り組みや現状の課題、解決のための対策などが共有されました。参加された皆様から「他団体とディスカッションできる貴重な機会になった」と嬉しいお声をいただいています。また「次回はさらに深掘りした内容で話し合いたい」との感想も多く寄せられました。

GtoB会計事務等DX研究会は、令和6年度も開催予定です。さらに多くの自治体の皆様のご参加をお待ちしております。

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