これまでお届けした内容は、
① 自治体が扱う帳票類の中で、請求書のDXが最もニーズが高く、効果も期待されていること(参考記事はこちら)
② 請求書のDXに向けた実証実験の方法とその効果(参考記事はこちら)
③ DXに取り組んだ自治体の課題と解決策の実例(参考記事はこちら)...などでした。
今回は発注書や契約業務のDXも絡めた、業務の大枠的な流れも踏まえて“会計事務等DX全体像”をご紹介いたします。
真の効率化のためには、会計事務につながる帳票や庁内書類全てのデジタル化が理想です。請求書DXを始めた自治体の多くが、段階的に会計事務全般のDXを目指しています。
2023年10月にはインボイス制度もスタートし、日本の会計事務DXはより加速を余儀なくされております。自治体が地域をリードし、日本のデジタル化を推進できるよう、インフォマートは全力でサポートさせていただきます。
■ 目次
自治体会計事務が目指すべき、ワンストップのデジタル化
自治体における一般的な会計事務フローと、自治体アンケートによるDXのニーズを順位で表すと、次のようになります。
① 見積 DXニーズ 3位
② 契約 DXニーズ 2位
③ 発注
➃ 納 品(検収)DXニーズ 4位
⑤ 請求書(受取)DXニーズ 1位
⑥ 支出命令書作成
⑦ 決裁
➇ 支払い
自治体が受け取る請求書は帳票類の中で最も件数が多く、業務時間も膨大なため、デジタル化が強く望まれてきました。実際にDXの取り組みを請求書から始める自治体も多く、一定の効果が得られています。
しかし、請求書をデジタルで授受するだけで、その前後の業務が紙のままでは、入力作業や照合作業まで効率化することはできません。目指すべき完成形は、ワンストップの会計事務DXです。
BtoBプラットフォーム上での帳票の動き
こちらが当社が提案する会計事務フローであり、DX後のあるべき姿だと考えます。このシステムで、既に会計事務全体のDXに成功している自治体もあります。
見積から請求までワンストップのDXは、各課による帳票類の作成と管理を一元化します。これにより、デジタル請求書を決裁フローに回したり、財務会計システムと連携して支払い命令書を作成したりと、これまでの業務負担とコストを大幅に削減できます。
現在、ワンストップを念頭に段階的にDXを進めている自治体が多くあります。当社は現状業務のヒアリングから、システムの実証実験と検証を経て、自治体ごとに最適な運用を構築します。
「何から手を付ければ...」でもかまいません。まずはご相談ください。
第2回「GtoB 会計事務等DX研究会」のご報告②
2022年10月下旬に開催された、第2回「GtoB 会計事務等DX研究会」では、各自治体におけるDXの現状と課題、その対策が共有されました。今回はグループディスカッションの内容を、簡単にご紹介します。
グループディスカッションは3~4団体ずつ4グループに分かれて意見交換をしていただきました。
「DXの現状課題とその対策」- グループディスカッション
課題1 Q:見積書、請求書をデジタルで授受する場合、押印はどう考える?
A:4つの自治体が、事前に省略申請書を用意して、デジタル授受に移行していた。
課題2 Q:押印廃止に向けた、会計規則の変更をどう考える?
A:「電子帳票は押印省略可」という規則を新たに策定した自治体が多かった。
課題3 Q:クラウド利用時の“なりすまし”をどう考える?
A:取引事業者に、代表者職・代表者名・連絡先などを記載した申請書を提出してもらい、真正性を担保している。
課題4 Q:事業者からの電子化要望にどう対応する?
A:一部の取引事業者から「電子請求書システムで発行していいですか?」と問合せが来ている現状。世の中がデジタル化し始めていると感じる。
活発な意見が交わされ、閉会後には「次回はさらに深掘りした内容で話し合いたい」との感想も多く寄せられました。