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キャッシュフローが悪化した際に迅速に改善するためのポイントを解説

どれほど利益を生み出せていても、月末の支払いができなくなってしまえば、黒字のまま倒産といった可能性も高くなります。そこで重要となるのがキャッシュフローです。 仮にキャッシュフローの状況がよくない場合、どう改善したらよいのでしょうか。今回は、「営業」「投資」「財務」3つのキャッシュフローそれぞれを改善するポイントについて、お伝えします。

キャッシュフローが悪化した際に迅速に改善するためのポイントを解説

最終更新日:2021年09月01日

目次

キャッシュフローの悪化を早急に改善しなければならない理由

キャッシュフローとは、企業におけるお金の流れを示すものです。種類としては、「手元にある現金」「普通預金」「当座預金」などが挙げられます。実際に企業に入ってくるお金(キャッシュ・イン)から、支払いによって出ていくお金(キャッシュ・アウト)を差し引いたものがキャッシュフローです。

※キャッシュフローに関する詳細は、「キャッシュフローとは?キャッシュフローの重要性と計算書の読み方を解説」を参照してください

キャッシュフローの悪化が企業にもたらすデメリット

キャッシュフローが悪化すると、企業にどのようなデメリットをもたらすのでしょう。次の3点から見ていきます。

・資金繰りが厳しくなる
「社員への給与支払い」「取引先へ買掛金の支払い」「借入金の返済」など、企業が支払うお金のほとんどは現金です。キャッシュフローが悪化すると、現金での支払いができなくなる可能性が高まります。そのため資金に関する何らかの対策が必要になるのです。

・将来への投資が難しくなる
キャッシュフローの悪化は、将来への投資も難しくします。生産性を高めるための設備や研修・教育制度などに投資する現金がなくなるため、企業の成長を止めてしまいかねないのです。

・黒字倒産のリスクが高まる
通常、企業が倒産してしまうのは、債務を返済できなくなってしまう、つまり赤字になってしまうからです。しかし帳簿上は黒字なのにもかかわらず、倒産してしまう場合があります。利益を生み出せているのに、手元の現金がなくなってしまった状態です。

損益計算書では、売掛金が当月の利益として記載されます。またまだ売れていない在庫も、利益です。例えば当月の利益が1,000万円だとしても、手元にある現金が500万円しかないという状況も珍しくありません。

仮に当月の支払額が800万円だとすると、300万円のマイナスとなります。帳簿上では支払いを済ませても200万円の黒字ですが、実際には300万円も足りない状況です。

それでも黒字倒産はめったにないと思われるかもしれません。しかし帝国データバンクが2021年1月18日に発表した、「全国企業『休廃業・解散』動向調査」によると、2020年に休廃業・解散した企業の「57.1%」が当期純利益で黒字でした。なお2020年だけの傾向ではなく、過去5年間の平均でも、休廃業・解散した企業の「55.7%」が黒字でした。

引用:全国企業「休廃業・解散」動向調査(2020年)2P|株式会社帝国データバンク(PDF)

このように黒字倒産は珍しいことではないといえるでしょう。

なおキャッシュフローを含む財務戦略を進める人物はCFO(最高財務責任者)と呼ばれています。

※CFOの詳細は、「CFOとは?企業経営に財務の面から積極的に関与するCFOになるためのポイント」を参照してください

キャッシュフローを改善するためのポイント-1. 営業活動によるキャッシュフロー

キャッシュフローはキャッシュ・インからキャッシュ・アウトを差し引いて算出します。キャッシュ・インを増やし、キャッシュ・アウトを減らせば、キャッシュフローが健全な状態へと改善されていくのです。

では、「営業」「投資」「財務」、それぞれのキャッシュフローが悪化してしまった際の改善方法について、そのポイントを見ていきましょう。

営業活動によるキャッシュ・インを改善するポイント

・売上を生み出す
営業活動によるキャッシュフローとは、本業によるお金の流れです。営業活動でのキャッシュ・インを増やすには、売上を生み出すのが最大の改善策となります。そこで「原価を下げる」「販管費を見直す」「在庫を適正に抑える」などで、今よりも売上を生み出すための施策を実行するのです。

・売掛金、貸し倒れを減らす
「売掛金を減らす」「貸し倒れをなくす」のも重要なポイントとなります。どれほど売上を生み出せても入金が数ヶ月先では、キャッシュフローはなかなか改善しません。そこで「現金小売りを増やす」「長期プロジェクトの場合は中間で代金の一部を支払ってもらう」などを検討します。

また貸し倒れが増えれば当然、キャッシュフローは悪化の一途をたどってしまうでしょう。売上を生み出しつつ売掛金や貸し倒れをなくすのが、営業活動におけるキャッシュ・インを改善するポイントとなります。

・ファクタリングを利用する
どうしても売掛金を減らせない場合の施策としておすすめなのが、「ファクタリング」です。入金前の請求書を買い取ってくれるファクタリングを利用すれば、取引先からの入金を待たずに現金を増やせます。手数料がかかるものの、早急に現金が必要な場合、便利なサービスです。





営業活動によるキャッシュ・アウトを改善するポイント

営業活動によるキャッシュ・アウトも、キャッシュ・インの改善と同様、「原価を下げる」「在庫を適正に抑える」などが効果的です。

・業務効率化を進める
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)や営業・経理管理ツールや請求書の電子化などを活用し、定型業務の負担を抑えます。それにより上述した原価交渉や適正在庫に関する業務に集中できるのです。キャッシュ・アウトの改善にもつながるでしょう。

キャッシュフローを改善するためのポイント-2. 投資活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローとは、固定資産の取得・売却、株券や債券など有価証券の売買によるお金の流れです。この投資活動によるキャッシュフローを改善するポイントを説明します。

・稼働していない設備を売却する
すでに使用していない設備は、設置しているだけで維持費がかかりキャッシュフローを圧迫します。たとえ二束三文であろうと早めに処分しましょう。多少でも現金化できればキャッシュ・インの改善につながるのです。

固定資産を売却し、多少でも現金化できれば、固定資産を購入した際の借入金に充当できます。そのうえ金利負担も軽減されるため、キャッシュ・アウトの改善策としても効果を発揮するのです。

キャッシュフローを改善するためのポイント-3. 財務活動によるキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフローとは、借入金の調達や投資家からの出資、配当金の支払いなどによるお金の流れです。このキャッシュフローの改善を行うポイントとしては次の点が挙げられます。

・資金調達を行う
銀行融資の依頼や投資家からの出資を募り現金を調達します。ただし借り入れの場合、毎月の支払いが発生するため、ほかの部分で営業活動のキャッシュ・アウトを減らす施策が必要です。

・自己資本を増やす

「増資を行う」「配当を抑える」などにより自己資本を増やせれば、財務活動によるキャッシュフローは改善します。また自己資本が増えれば金融機関からの信頼を得やすくなるため、資金調達もしやすくなりキャッシュ・インの改善にもつながるでしょう。

キャッシュフローの改善、第一歩は営業活動によるキャッシュ・インの改善が重要

もっとも重要なポイントは、営業活動によるキャッシュ・インの改善です。自社の本業である営業活動において売上を生み出せられれば、ほかのキャッシュフローも自ずと改善に向かいます。

それには「営業収入を増やす」「販管費の見直す」「固定資産を処分する」などの施策が必要でしょう。同時にできるだけ売掛金を減らすのも重要です。「売上を生み出して、入金を早める」この両輪を上手く実現させられれば、健全なキャッシュフローの実現に向かいます。

出典:
全国企業「休廃業・解散」動向調査(2020年)2P|株式会社帝国データバンク(PDF)

監修者プロフィール

『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部

この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。

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