無料オンライン相談

フリーキャッシュフロー(FCF)とは?計算式やマイナスの場合について解説

財政状態を見る指標はいろいろあり、フリーキャッシュフローもそのひとつです。フリーキャッシュフローとは、企業が自由に使えるお金。つまりフリーキャッシュフローが多い企業は、それだけ余裕をもって事業展開に臨めるのです。ここではフリーキャッシュフローの基本的な知識とその重要性、計算方法について解説しましょう。

フリーキャッシュフロー(FCF)とは?計算式やマイナスの場合について解説

最終更新日:2021年10月20日

目次

インフォマート電子帳簿保存サービス|BP Storage サービス概要はこちら

フリーキャッシュフローの基本知識

初めにフリーキャッシュフローの基本知識とキャッシュフローとの関係について解説します。

フリーキャッシュフローとは?

フリーキャッシュフロー(Free cash flow)とはその名称どおり、「自由に使えるお金」です。事業で得た資金から設備投資費など、事業維持のために必要支出を差し引いたキャッシュフローを指します。

キャッシュフローとは、どこから得てどこに使ったのか、というお金の流れのこと。企業の財務では、キャッシュフローが非常に重視されています。フリーキャッシュフローは、どれくらいのキャッシュを獲得できる能力があるかという企業力から、経営維持に必要な部分を差し引いたものとなるのです。

そんなキャッシュフローは以下の3つで構成されています。

1. 営業活動によるキャッシュフロー:本業による流入・流出といった資金の動き
2. 投資活動によるキャッシュフロー:設備や外部への投資など将来に向けての資金の動き。成長に向けて行動している際、マイナスになる状況も多い
3. 財務活動によるキャッシュフロー:借入や返済など、資金調達による変動の状況

上記3つのうち、フリーキャッシュフローは「営業活動によるキャッシュフロー」から「投資活動によるキャッシュフロー」を差し引いた残りで、手元にある「自由に使えるキャッシュ」となります。

※キャッシュフローの詳細は「キャッシュフローとは?キャッシュフローの重要性と計算書の読み方を解説」を参照ください

インフォマート電子帳簿保存サービス|BP Storage サービス概要はこちら

フリーキャッシュフローの使い道

フリーキャッシュフローは、経営上今すぐ必要となる以外のお金です。フリーキャッシュフローの具体的な使い道としては、以下のようなものがあげられます。
・株主への分配・還元:リターンを期待する株主に対して分配するための原資とする
・新規事業への投資・開発費:さらなる成長を求め事業拡大やM&Aを行う資金とする
・借入金の返済:借入金の返済にあてて将来へのリスクを減らし、財務を安定させる

フリーキャッシュフローは支払先のない企業内に残しておける資金で、効果的に使えば信頼性を高めたり、成長力を強化したりできます。この点からフリーキャッシュフローがプラスとなっていれば基本、財務体質は良好と見なされるのです。

請求書の電子データ化診断 サービス詳細はこちら

フリーキャッシュフローの重要性と見るべきポイント

フリーキャッシュフローから何が分かるのでしょうか。重要性とともに解説します。

フリーキャッシュフローのプラスとマイナス

フリーキャッシュフローが大きくプラスとなっている場合、一般的に資金に余裕があるといえます。つねに本業でキャッシュを得られているようであれば、事業活動に安定性があり、多少の外的要因では揺らがない経営がなされていると考えられるのです。

こうした企業では、基礎的な企業体力があり課題に対応していける能力があります。融資に頼らずにすむため、自社の意向に沿った事業展開が図れるでしょう。また、借入金があっても早期に返済でき、自己資本比率を向上できます。財務の健全性が確保され、将来的なリスクを軽減できるのです。

一方、フリーキャッシュフローを生み出せない、またはマイナスとなっている場合、余裕資金がありません。資金繰りがうまくいかず投資もできないため、事業がつねに不安定で成長や拡大が難しくなります。

今後の借入が増える恐れもあるうえ、順調に返済する目途も立ちにくい状態です。資産売却によって資金調達を行えば、資産は目減りしていくでしょう。このようにフリーキャッシュフローには経営状態が顕著に表れるため、状況の良し悪しは対外的な優位性に影響を与えるのです。

なおCFOにはフリーキャッシュフローの創出を最大化し、企業経営の安定化を図る責任があります。

※CFOの詳細は「CFOとは?企業経営に財務の面から積極的に関与するCFOになるためのポイント」を参照ください

年単位では判断できない

キャッシュフローがプラスであるのに越したことはありません。しかし、マイナスであっても、年単位で判断するのは早計だといえます。活発な事業展開を図って積極的に投資をしていたり、設備の耐久年数を迎えていたりすると、一時的にキャッシュフローがマイナスになるからです。

キャッシュフローを読み解く際はこうした点を考慮に入れます。可能な限り、数年分のキャッシュフロー計算書から判断するとよいでしょう。また数値に現れる部分だけではなく、フリーキャッシュフローの使い道や中長期の経営戦略といった中身も重要です。

キャッシュフロー計算書とフリーキャッシュフローの計算方法

フリーキャッシュフローからは企業の今が見えてきます。キャッシュフロー計算書とフリーキャッシュフローの計算方法について解説しましょう。

キャッシュフロー計算書とは

株式を公開している企業はルールによって、キャッシュフロー計算書の作成が義務づけられています。キャッシュフロー計算書は、他の諸表では見えづらいキャッシュの流れを明確にするものです。


損益計算書では赤字・黒字、貸借対照表では売掛金の状況が分かるものの、キャッシュの状況は示されません。たとえば、売上の計上があっても実際の入金までは見られないため、現状がつかみにくくなります。キャッシュフロー計算書は、そうした空白の部分を補足してくれるのです。

また、キャッシュフロー計算書は「営業・投資・財務」という3つの活動に分けて記載します。そして期中の増減額を示しながら、期末時点でのキャッシュ金額を明確にしていくのです。

フリーキャッシュフローの算出方法

フリーキャッシュフローは、「営業キャッシュフロー」から「投資キャッシュフロー」を引いて算出します。たとえば「営業キャッシュフロー+100」「投資キャッシュフローが△50」の場合、100+△50でフリーキャッシュフローは50になるのです。

お役立ち資料3点セット 資料ダウンロードはこちら

プラスとマイナス、それぞれの状況から見るキャッシュフロー

先にも述べたように投資キャッシュフローは通常、活動によってマイナスとなる場合が多いです。よってプラスの場合、設備・資産などの売却を行った可能性が考えられます。

投資キャッシュフローが営業キャッシュフローと比較して極端に大きい場合、企業体力に見合わない投資の可能性が疑われるため、財務キャッシュフローと投資内容を確認しましょう。財務キャッシュフローが大きいプラスとなっている場合、融資を受けている状況が表されます。

フリーキャッシュフローがプラスにもかかわらず財務キャッシュフローが大きなマイナスの場合、過去の大きな借金の返済に追われており、事業から流入するキャッシュが間に合っていない可能性も高いです。投資キャッシュフローの動きをにらみ、企業の成長性について十分に見極める必要があります。

導入事例はこちら

フリーキャッシュフローは生きたお金の流れ

フリーキャッシュフローとは財務のなかの、「自由に使えるお金」です。基本、プラスの状態であるのが望ましく、その場合、資金に余裕がある状態を示します。もしマイナスであっても、単年の場合、経営状態が悪いわけでなく、状況によっては事業展開の活発さを表すのです。

このようにキャッシュフローからは、企業のリアルが分かります。読み解き方を知っておくと便利でしょう。

「BtoBプラットフォーム 請求書」についてのよくある質問はこちら



よくある質問

Q1.フリーキャッシュフローとは何ですか?

フリーキャッシュフローとは企業が自由に使えるお金のことです。事業で得た資金から設備投資費など、事業維持のために必要支出を差し引いたキャッシュフローを指します。株主への分配や還元、新規事業の投資・開発費、借入金の返済に使うことで、事業の成長や、財務の安定につながります。

詳しくは「フリーキャッシュフローとは?」をご確認ください

Q2.フリーキャッシュフローの求め方は?

フリーキャッシュフローは、営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを引いて求められます。たとえば「営業キャッシュフロー+100」「投資キャッシュフローが△50」の場合、100+△50でフリーキャッシュフローは50になります。

詳しくは「キャッシュフロー計算書とフリーキャッシュフローの計算方法」をご確認ください

Q3.キャッシュフローとフリーキャッシュフローの違いは何ですか?

キャッシュフローとフリーキャッシュフローの違いは使い道の自由さにあります。キャッシュフローは、設備投資など事業維持のために必要なお金を指すのに対し、フリーキャッシュフローは企業が自由に使えるお金を指し、株主への分配や還元、新規事業の投資・開発費、借入金の返済に使用することで、事業の成長や、財務の安定につながります。

詳しくは「フリーキャッシュフローとは?」をご確認ください  

監修者プロフィール

『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部

この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。

請求書を電子化して、経理業務のコスト削減!
BtoBプラットフォーム請求書の詳細はこちら

BtoBプラットフォーム 請求書 資料ダウンロードはこちら

電帳法・インボイス制度の対応も
業務効率化もこれ一つで!

BtoBプラットフォーム 請求書
資料ダウンロード

詳しくわかる資料をプレゼント
  • 01.本サービスの概要、特徴
  • 02.導入により改善・削減できる内容の事例
  • 03.本サービスの料金体系
  • 04.他社サービスとの機能比較一覧