自治体の見積・発注・契約・納品・請求書の 電子化で期待できる効果-CASE付き

2024/03/13

昨今、全国の自治体でDXへの取り組みが活発になってきています。本コンテンツではこれまで請求書と契約書のDXについて、各自治体の取り組み方から、システム運用の具体例、制度設計のご提案まで、詳しくご紹介してまいりました。

しかしながら、多くの自治体が目指している会計事務DXの完成形は「見積から請求まで一気通貫したDX」です。どこかの段階が紙のままだと、時短やミス防止が完遂できず、DXの効果を最大限に発揮することができません。

一気通貫した会計事務DXには、見積書と納品書のDXも必要です。

そこで本記事では、見積書・納品書のDXに関する自治体アンケートの結果をご紹介します。

また、会計事務DXの取り組みをより具体的にイメージしていただくために、自治体のケースごとに、解決したい課題・システムの利用方法・期待できる効果をご紹介しています。

皆様の自治体と似たケースが、DX推進のヒントになれば嬉しく思います。

「自治体会計事務DXに関するアンケート調査」のご報告⑤

「第1回GtoB会計事務等DX研究会」で行なわれた自治体アンケート調査では、見積書のDXニーズは3位、納品書のDXニーズは4位という結果でした。

「デジタル化の優先度が高いと思う帳票類」という問いに、見積書・納品書が挙がる理由は、以下のとおりです。

Q.デジタル化の優先度が高いと思う帳票類とその理由

A.ご回答内容(一部)

<見積書>
  • 取扱件数が多いため
  • 財務システムのデジタル化に必須
  • 事業者の業務負担軽減のため
  • 事業者の業務負担が軽減されるほか、早期着手が可能になるため
<納品書>
  • 支払い事務を完全電子決済化するため

Q.納品書のデジタル化に向けた障壁は何ですか?

納品書のデジタル化に向けた障壁は何か?の回答グラフ

紙の納品書に関して、自治体職員様から「支出負担行為との照合作業に時間がかかる」というお話をよく伺います。金額・商品名・代表者職・代表者名といった全ての事項で不一致がないか照合するのは、手間のかかる作業です。

見積書・納品書は、請求書・契約書に比べてDXの優先順位は低いかもしれませんが、一部の帳票だけでなく、見積書・納品書も含めた取引全体をデジタル化することで、見積(支出負担)から請求書(支出命令)の過程で商品名や単価などの不一致がなくなり、照合作業の大幅削減が期待できます。
また、事業者の業務効率化にも繋がるため、DXへの賛同が高まることと思います。

当社は見積書・納品書のDXに関する検証も承っております。会計事務全般のDXを目標に、段階的なDXをお考えの際も、ぜひご相談ください。必ずお役に立てることと思います。

自治体ケース別 会計事務DX① システムの利用方法と期待できる効果

Case 1

会計事務における課題

  • 支出負担行為と支出命令決議書の照合作業が煩雑
  • 支出命令決議書の起票にかかる入力作業

期待できる効果

  • 見積(支出負担)から請求書(支出命令)の過程で、商品名や単価などの不一致がなくなり、照合作業の大幅削減が期待できる。
  • 支出命令の起票に必要な金額の情報なども請求書システムから連携されるため、財務会計システムでの入力の手間が省け、ミスも防げる。

某政令市でのシステム利用例

某政令市での見積・発注・納品・請求書をDXし、請求データを財務会計システムへ自動連携した際のイメージ図
請求書データを財務会計システムへ自動連携

こんな団体にオススメです

  • 電子決裁機能がある財務会計システムを導入している団体。
  • 財務会計システムを更新するタイミングで、取引関連帳票のデジタル化を検討している団体。

Case 2

会計事務における課題

  • 予算執行伺い、契約伺い、支出負担行為などの申請業務が全て紙で行なわれており、業務が煩雑

期待できる効果

  • 紙での支出伝票の審査と支払いから、電子決裁へ効率化が図れる。
  • 電子取引データの連携により、会計事務全般における業務の大幅な削減が期待できる。
  • 庁内のペーパーレス化が実現できる。

某中核市でのシステム利用例

某中核市での見積・発注・納品・請求書をDXし、請求データを電子決済システムへ取込み後、財務会計システムへ自動連携した際のイメージ図
請求書データを電子決裁システムへ取り込み後、財務会計システムへ連携

こんな団体にオススメです

  • 財務会計システムは導入しているが、電子決裁システムは未導入の団体。
  • 決裁文書から電子化するだけでなく、システムを活用してDXの効果を最大限発揮させたい団体。

Case 3

会計事務における課題

  • 契約締結までにかかる時間とコスト
  • 契約書の締結状況や進捗状況の確認
  • 締結した契約書の原本をファイリングする手間と保管場所の確保

期待できる効果

  • 契約締結に関する業務が効率化され、郵送料が不要、事業者の印紙税も免除となる。
  • システム上で常時、契約書の締結状況や進捗状況が確認できる。
  • 文書管理システムと連携し、契約締結だけでなく、保管まで完全自動化することで、定型業務を削減でき、保管場所が不要となる。

多数の自治体でのシステム利用例

多数の自治体で契約業務をDXし、文書管理システムと自動連携した際のイメージ図

こんな団体にオススメです

  • 自治体規模を問わず、様々なケースで導入が可能。
  • 契約締結だけでなく、保管と管理を含む契約業務フロー全体を効率化したい団体。

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