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請求書の再発行を依頼されたら?ケース別の正しい対応と注意点

請求書は、ビジネスにおいてやりとりすることの多い身近な文書です。それだけに、紛失やミスなどのトラブルに遭遇することも珍しくありません。取引先から再発行の依頼を受けたり、逆に依頼したりすることもあるでしょう。 そこで今回は、請求書の再発行に対する正しい対応や注意点などについて、ケース別に詳しく解説します。

請求書の再発行を依頼されたら?ケース別の正しい対応と注意点

最終更新日:2023年6月5日

目次

請求書の再発行は可能?

そもそも、取引先から請求書を紛失してしまったなどと相談を受けた場合、同じ書類を再発行することに問題はないのでしょうか。

結論からいうと、請求書は必要に応じて再発行することができます。

ただし、安易な再発行はおすすめできません。請求書は提供した商品やサービスの対価の支払いを求めるために発行する書類であり、取引が成立したことを証明する証憑書類に分類されるため、虚偽の記載はもちろん重複もあってはならないからです。そのため、再発行をする際は同じものが2枚存在しないよう注意して対応する必要があります。

また、再発行を行う際は、再発行が必要な理由によって対応方法が異なるため、ケース別の対応方法を把握しておくことが重要です。

ケース別に解説!請求書を再発行する際の対応方法

請求書を再発行する際、具体的にはどのように対応すればよいのでしょうか。

ここでは、「紛失などによる再発行」「支払方法の変更による再発行」「請求書の記載内容に誤りがあった場合の再発行」の3つのケースについて、請求側の対応を具体的に解説します。

紛失などによる再発行

支払側の担当者が請求書を紛失したり、間違って不要な書類とともに破棄したりしてしまった場合、どのようにして請求書を再発行すればよいのでしょうか。順を追って、説明します。

1.  再発行する請求書を特定する

請求書の発行先から、紛失による請求書の再発行の依頼を受けたら、まずは再発行する請求書を特定します。先方から提供された情報がすべて正しいとは限りません。それらの情報を鵜呑みにして再発行した情報が間違っていた場合、今回の請求書とは異なる請求書を発行してしまうリスクがあります。先方が紛失した書類として示した請求書の情報と、自社に残っている発行済みの請求書の情報とを照らし合わせ、企業名、担当者名、請求内容などをきちんと確認することが大切です。

2. 再発行の手続きをする

請求書を特定し、内容を把握したら再発行の手続きをします。このとき、請求日は変えずに、最初の発行日のままで再発行するのが一般的です。つまり、前回のものをそのまま流用することになります。もし、なくしたはずの請求書が出てきた場合は、同じ請求書が2枚存在してしまい、二重請求になるおそれがあります。

そのため、何らかの形で、元々の請求書と再発行した請求書を区別できるようにしないといけません。

3. 再発行した請求書に「再発行」と記載し、注意書きを記載した挨拶状も同封する

取引先が混同してトラブルになるのを避けるため、「再発行」と明記することで2枚目の請求書であることが区別できるようにしましょう。併せて、再発行の請求書を先方に送付する際に添える挨拶状に、下記の2点を忘れずに記載しておくと安心です。

<再発行の請求書に添える挨拶状に記載しておくべきこと>

  • ・請求書を紛失したと連絡を受けたため、確認の上で再発行をしたこと
  • ・紛失した1枚目の請求書が見つかった場合は、今回送付している再発行の請求書と差し替え、以前の請求書は破棄してほしいこと

支払方法の変更による再発行

支払方法の変更による再発行の中には、取引先が何らかの事情で請求額を支払えない、あるいは支払能力があるのに支払わないといったケースがあります。

急激に資金繰りが悪化したなどの理由で支払期日に支払えない場合は、支払方法を変更して再発行し、挨拶状に依頼を受けて、支払期日を変更した旨を記載しましょう。この場合、変更後の支払日までに支払いがあればそのままで問題ありませんが、変更した期日までに支払いがなければ債務不履行となります。支払いから逃れようとしたり、不当であることがわかっていながら滞納したりする場合も、督促や民事訴訟などの法的措置をとることが一般的です。

支払方法の変更で請求書を再発行する場合、再発行後に起こりうるこうしたトラブルを想定し、支払いを約束する覚書や念書をとっておくことが大切です。

請求書の記載内容に誤りがあった場合の再発行

取引先から請求書の記載内容について指摘があった場合は、すぐに記載内容を確認し、指摘された内容が正しければすぐに対応しなくてはなりません。発行者自身がミスに気づいた場合は、すみやかに先方に連絡をとって再発行することを伝えましょう。

最初に行うべきことは取引先への謝罪です。記載内容に誤りがあった事実を伝えてお詫びをした上で、誤りを訂正した請求書を再発行します。再発行した請求書に添付する挨拶文では、今回のミスについて再度丁寧にお詫びするとともに、誤りのあった請求書を破棄してほしい旨を記載してください。謝罪の記載がない挨拶文を送付すると、先方の不信感を招くおそれがあるため注意が必要です。

請求書の発行日、支払期日はどうする?

請求書の再発行の際、請求書を再発行した日付は、原則として最初に発行した日付のままにします。内容に間違いがあったからといって、原則として日付まで訂正する必要はありません。もし、再発行による請求書の作成日で出し直したい場合は、欄外にでも最初の発行日を書いておくのがおすすめです。

また、支払期日も、原則的には変更しません。再発行の時点で支払期日を過ぎていたとしても、日付は変えずに再発行します。ただし、延滞利息について約束事を取り交わしている場合は話が別です。この場合、契約書で延滞利息についての契約内容を見直し、契約どおりに支払期日を再設定して請求書を再発行しましょう。

請求書の再発行を依頼する際の文例

支払者側が請求書の再発行を依頼する場合、どのようにして再発行する側へ連絡すれば良いのでしょうか。ここでは、請求書の再発行を依頼する際に取引先へ送るべき内容とメールの文例をシーン別にご紹介します。

自社のミスで再発行を依頼する場合

紛失などの自社側のミスによって請求書の再発行を依頼する場合、紛失が発覚したらできるだけ早く連絡することが大切です。

その際、みずからに非があることを率直に伝え、丁寧な言葉で謝罪をしましょう。再発を防ぐべく尽力する意思を併記すると、より誠実な印象を与えることができるはずです。

この場合の再発行依頼時に取引先へ送るべきメールの文例は、下記のとおりです。

■自社のミスで再発行を依頼する場合に送るべきメール文例 
件名
請求書の再発行のお願い
メール本文

◯◯株式会社

役職名(部署名) ××様

いつもお世話になっております。株式会社△△の△△と申します。

この度は、先日お送りいただいたご請求書(請求No.111111)につきまして、再発行をお願いしたくご連絡させていただきました。

お送りいただいたご請求書は◯月◯日に受領いたしましたが、私の不注意により紛失してしまいました。

不手際でご迷惑をおかけすることになり、誠に申し訳ございません。

今後は再発防止のため、2名でチェック・管理してまいります。

お忙しい中、お手数をおかけすることになり誠に恐縮ではございますが、請求書の再発行をお願いできますでしょうか。

何卒よろしくお願い申し上げます。

署名

取引先のミスによって再発行を依頼する場合

取引先から受け取った請求書に何らかの抜けや漏れがあった場合も、再発行を依頼しなくてはなりません。丁寧な言葉遣いを徹底し、ミスの内容をわかりやすく記載することが大切です。

このとき、自社に非がないことが明らかであっても、先方に調査を依頼する文章に続けて「自社でも引き続き詳細を調査する」と記載することで、やわらかな印象を与えることができます。

取引先のミスに気づいて再発行を依頼する際の文例は下記のとおりです。

■取引先のミスによって再発行を依頼する場合に送るべきメール文例
件名 請求書のご確認のお願い
メール本文

◯◯株式会社

役職名(部署名) ××様

いつもお世話になっております。株式会社△△の△△と申します。

この度は、お送りいただいたご請求書(請求No.1234567)につきまして、一部不明な点がございましたのでご連絡いたしました。

ご確認いただきたい箇所は以下のとおりです。

———————

ご請求金額

(誤)xxxx円

(正)xxxx円

———————

お手数おかけいたしますが、貴社で一度お調べいただけますでしょうか。

弊社でも、引き続き調査を進めてまいります。

万が一、請求金額が変更になる際は、再発行をお願いできれば幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

署名


請求書の再発行を依頼された場合、依頼する場合の注意点

請求書の再発行を依頼された場合や依頼する場合には、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。ここでは、請求書の再発行を依頼された場合、依頼する場合における3つの注意点についてそれぞれ説明します。

発行者側は二重請求に気をつける

発行者側は、再発行後に紛失した請求書が見つかった場合や、ミスが勘違いだった場合など、同じ請求書が2枚存在して二重請求になる可能性があることに注意しましょう。二重請求は、請求書にまつわるミスの中でも特にトラブルに発展しやすいからです。

二重請求で同じ内容の請求書が2枚あると、最初の請求書で支払いが済んでいるにもかかわらず、再発行分の請求書でも支払いをするなどの混乱を招きます。同じ内容で二度請求されたことを取引先が不快に感じ、築いてきた信頼関係が失われることにもなりかねません。

対応方法の項目でふれたとおり、請求書番号や管理番号を記載する、再発行の押印をするなどの方法で二重請求を回避することが大切です。

支払側は再発行を依頼する理由を伝える

前述のとおり、請求書の再発行に関する応対の仕方は再発行の理由によって異なります。そのため、支払側から再発行を依頼する際は、たとえ自社の過失によるものであっても、必ず理由を伝えましょう。

ただし、挨拶文が「紛失したため再発行をお願いします」といったそっけない文章だと、反省していない印象を与えて逆効果です。自身の不手際であると理由を付し、迷惑をかけることに対して言葉を尽くして謝罪することが大切です。

発行者側のミスでも、再発行は丁重に依頼する

発行者側の勘違いで間違った請求書が送られてきたからといって、感情的に相手を責めるのは厳禁です。ミスは誰にでもあるものであり、今後自分たちのミスで取引先に迷惑をかけないとも限らないからです。

よく調べないまま、鬼の首を取ったようにミスを指摘するのもよくありません。取引先に怒りをぶつけた後、実は自社のミスだったことが発覚すれば、信頼関係を取り戻すのには膨大な時間がかかるでしょう。取引先と良い関係を維持したいなら、相手のミスには寛容に、自分たちのミスには厳しい態度で対応することがポイントです。



請求書を電子化すれば、再発行もスムーズに

請求書の再発行には、煩雑な作業が伴います。しかも、対応を誤ればその後の取引に響きかねません。そこでおすすめしたいのが、請求書の電子化です。請求書を電子化すれば、再発行を依頼された際の照会や、発行済みの請求書の管理が各段に楽になり、再発行もスムーズになります。

請求書の再発行対応にお悩みの方、請求書にまつわる作業を簡略化・効率化したい方は、株式会社インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム 請求書」の導入をぜひご検討ください。




監修者プロフィール

宮川 真一

岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業、1997年から税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは20年以上たちました。現在は、税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、M&Aや事業承継のコンサルティング、税務対応を行っています。あわせて、CFP®(ファイナンシャルプランナー)の資格を生かした個人様向けのコンサルティングも行っています。また、事業会社の財務経理を担当し、会計・税務を軸にいくつかの会社の取締役・監査役にも従事しております。

【保有資格】CFP®、税理士

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