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請求書原本の必要性とPDF請求書の法的有効性

従来、企業で扱う契約書や請求書など重要な書類の多くで、原本を大切に保存していました。基本、決算時の確認はもちろん、税務調査が入った場合でも提出するのはコピーではなく原本です。しかし、時代は変わりペーパーレス化が進んだ現在、契約書や請求書の原本を紙の書類として保存しておく必要はあるのでしょうか?  今回は企業における書類の原本は必要なのか、また、電子化された請求書に法的有効性はあるのかといった点についてお伝えします。

請求書原本の必要性とPDF請求書の法的有効性

最終更新日:2021年04月21日

目次

紙の原本の必要性

つい最近まで多くの企業では、契約書や請求書などの書類を紙で印刷・押印したうえで取引先や契約者へ郵送をしていたのではないでしょうか。しかし現在、そうした形は少しずつ変わり始めているのです。

ペーパーロジック株式会社が2020年1月7日に発表した、「ペーパーレス化に伴う2020年度予算」に関するアンケート調査結果によると、「74.7%」の企業が、契約書や申請書類などの紙の書類をPDF化していると回答しています。

また、ペーパーレスを導入していない企業の「75%」が、ペーパーレス化が課題になっていると回答。このように多くの企業が、紙の書類に何かしらの課題を感じているのです。これらの結果からも今後、多くの企業がペーパーレス化を進めるのではないかと予測できます。

引用:「ペーパーレス化に伴う2020年度予算」に関するアンケート調査|ペーパーロジック株式会社

もちろん紙の請求書がまったく必要なくなったわけではありません。現在でも紙の書類でやり取りをしているケースは珍しくないでしょう。それは長年の商習慣であったからであり、紙の契約書や請求書以外は受け取らないとしている企業も少なくありません。

つまり、現在は紙から電子へ移行する過渡期だといえるのです。しかし、社会全体の流れとして、紙から電子へと移行しているのは間違いないといえるでしょう。

PDF請求書の法的有効性は?

現在、請求書を始めとした証憑書類は紙から電子へと移行する過渡期だと説明しました。ここで問題となるのが、電子化された請求書に法的有効性があるのかどうかです。

そもそも法律では請求書を含む証憑書類の保存期間は、事業年度の確定申告書提出期限の翌日から7年間(欠損金が生じた事業年度の場合は9年間、平成30年4月1日以降は10年間)となっています。従来はこの期間、紙の原本を保存していました。

では、ペーパーレス化が進み、PDFで請求書のやり取りをするようになっても、印刷をして紙の状態で保存しておく必要はあるのでしょうか。

請求書をPDFで保存するための要件とは?

請求書は、自社と取引先の双方が請求内容や金額を確認したうえで相違ないと認めたものであれば、紙でもPDFでも問題はありません。つまり、PDFで発行したものや受領した請求書を紙で印刷して保存しておく必要はないのです。ただし、発行と受領、どちらの場合でも電子帳簿保存法により、一定の要件を満たす必要があります。その要件とは次の4点です。

1. システム関係書類等(システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアル等)を備え付けること

2. 保存場所に、電子計算機、プログラム、ディスプレイ、プリンタ及びこれらの操作マニュアルを備え付け、記録事項を画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できること

3. 取引年月日、勘定科目、取引金額その他のその帳簿の種類に応じた主要な記録項目により検索できること

4. 日付又は金額の範囲指定により検索できること

さらに、これらの要件を満たしたうえで、税務署長の事前承認も必要です。承認申請書とシステムの概要、操作説明書など、電子計算機処理に関する事務手続きの概要を示す書類を添付し、保存を開始する日の3カ月前の日までに提出しなければなりません。

引用:はじめませんか、帳簿書類の電子化!|国税庁(PDF)

ただし、上記は自らが請求書を発行する場合であり、受領する場合はまた要件が異なります。受領した請求書の真実性を確保する意味から、次の要件のいずれかを満たしていると保存が可能です。

1. タイムスタンプが付与されたデータを受領

2. 受領後遅滞なくタイムスタンプを付与

3. データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用

4. 訂正削除の防止に関する事務処理規程を策定、運用、備付け

また、事後的な確認のため、「検索できるような状態で保存する」「ディスプレイの備付け」なども必要になります。なおこれらの要件のいずれかを満たした状態で受領する場合、税務署長の承認は必要ありません。

引用:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問17|国税庁

PDF請求書を管理、保存する際の注意点

前項で説明したようにPDFで請求書を保存するには、いくつかの要件を満たす必要があります。そのため表計算ソフトやワープロソフトで作成したものでは、保存が認められない場合もあるのです。また、電子化した書類を扱う場合、修正や改ざんリスクも考慮しなくてはなりません。

表計算ソフトやワープロソフトで請求書を作成した場合、そのままの形式では簡単に修正・改ざんできてしまいます。そうしたリスクを防ぐためにも必ずPDF形式にして送付しましょう。

また、PDF請求書にはもう1点、問題があります。それは保存のための要件が多く、これらを満たすためにはコストと手間がかかってしまう点。そこで、できる限り経理担当者の手間を省いて効率的に請求書の電子保存を実現する方法を紹介しましょう。

PDF請求書の管理、保存を効率化する請求書管理システム

PDF請求書を作成し、保存するにはさまざまな要件のすべてを満たさなくてはなりません。また、請求書のPDF保存を実施するうえで税務署長へ申請する際の書類準備も大きな手間となるでしょう。これを簡略化させるのが請求書管理システムです。

ただし、請求書管理システムであれば何でもよいわけではありません。重要なのは、電子帳簿保存法に対応しているかどうかです。対応している請求書管理システムであれば、基本的にすべての要件を満たしているため、後から要件を気にする必要はありません。

また、税務署長への申請時にも、記載欄を省略した簡素な様式の申請書で申請できるうえ、操作説明書といった書類の添付も不要です。

紙からPDFへの過渡期だからこそ早めの経理業務の電子化を

紙書類の電子化を進めている企業は年々増加しています。しかし、それでも紙の請求書を利用している企業は多く存在しているのです。ただし、電子化の普及に時間がかかったとしても、これからまた紙の請求書が主流になる状況はあまり考えられません。遅かれ早かれ、電子化が主流になるのは間違いないでしょう。

企業としてもできるだけ早い段階で電子化を進めた方が、業務効率化が進む中で、採用においてもアピールポイントとなります。請求書は現在、紙からPDFへの過渡期ですが、一足飛びに電子データ化を進めるのも一つの方法です。請求書の電子データ化を進める際は、「BtoBプラットフォーム 請求書」を選択肢に入れてみてはいかがでしょう。

※本記事は更新日時点の情報に基づいています。法改正などにより情報が変更されている可能性があります。

監修者プロフィール

『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部

この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。

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