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軽減税率制度の導入によって請求書の書き方はどう変わる?軽減税率制度に対応した請求書の書き方についても解説

軽減税率の導入によって、消費税率は10%と8%の2つに分かれました。そのため請求書や納品書などの取引書類にも、軽減税率を反映させる必要があります。 特に請求書は、現行の「区分記載請求書」と2023年から適用される「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」の2つに即した正しい書き方の理解が必要でしょう。軽減税率制度導入に対応した、請求書の記載方法について解説します。

軽減税率制度の導入によって請求書の書き方はどう変わる?軽減税率制度に対応した請求書の書き方についても解説

最終更新日:2021年11月24日

目次

軽減税率制度と請求書

軽減税率制度とはどのようなものか、また事業者に求められる対応について請求書の変更点とともに解説します。

軽減税率制度の概要

軽減税率制度とは、2019年10月1日からの消費税増税に伴って実施された制度です。これまで一律であった消費税を、品目によって8%と10%の2種類に分けて課税します。

特定商品の消費税率が一般商品の消費税率より低く設定されたため、売り場で10%と8%の品目が混在する状況になったのです。たとえば消費者に過度の負担を強いないよう、飲食料品・定期購読される新聞など、生活にかかわる品目の消費税は抑えられています。目的は、低所得者の消費税負担を軽減することです。

軽減税率制度導入による請求書制度の変更

軽減税率制度導入により、取引間の請求書制度にも変更がありました。課税事業者が仕入税額控除を受けるために必要な請求書の様式が変わったのです。

現行では2019年10月1日~2023年9月30日までの間、「区分記載請求書等保存方式」が適用されています。2023年10月1日からはこれに代わって「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」が導入されるのです。

「区分記載請求書等保存方式」では既存の項目にくわえ、「軽減税率対象品目である旨」と「税率ごとの合計額」の記載が追加されました。

「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」ではさらに、「適格請求書発行事業者登録番号」「適用税率」「消費税額」の記載が追加されます。「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」の導入に合わせ、2021年10月1日から「適格請求書発行事業者」の登録申請が開始されています。

※「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」の詳細は以下をご覧ください
インボイス制度とは?適格請求書等保存方式の導入による経理業務への影響と対応方法

軽減税率制度で請求書はどう変わる?

軽減税率制度導入によって、請求書の記載内容がどう変わるのか、見ていきましょう。

軽減税率制度前(請求書等保存方式)の項目

・書類の作成者の氏名又は名称
・取引の年月日
・取引内容
・取引金額
・書類の交付を受ける者の氏名もしくは名称

「区分記載請求書等保存方式」(現行)の項目

・書類の作成者の氏名又は名称
・取引の年月日
・取引内容+軽減税率対象品目である旨(「※」などの記号を用いて明確に示す必要がある)
・取引金額+税率区分ごとの合計請求金額
・書類の交付を受ける者の氏名もしくは名称

「適格請求書等保存方式」(インボイス制度)の項目

2023年10月以降から適用となります。
・書類の作成者の氏名又は名称
・取引の年月日
・取引内容+軽減税率対象品目である旨
・取引金額+税率区分ごとの合計請求金額+税率区分ごとの消費税額等及び適用税率
・書類の交付を受ける者の氏名又は名称
・適格請求書発行事業者登録番号

所定の手続きにより登録した事業者のみが「適格請求書」を発行でき、それを示すのが「適格請求書発行事業者登録番号」です。番号の記載がない「適格請求書」では税金の控除が認められません。

管轄する税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、登録が認められると、適格請求書発行事業者になれます。また適格請求書発行事業者になれるのは原則、課税事業者のみです。適格請求書登録事業者の登録申請は、2021年10月より開始されています。

※軽減税率の詳細は以下をご覧ください。

軽減税率はいつまで?経理担当者が知っておくべき請求書の処理方法

軽減税率制度に対応した請求書の書き方

請求書作成のポイントと、各制度に対応した請求書の例を確認しましょう。

軽減税率制度に対応した請求書作成のポイント

・自社の扱い品目が軽減税対象となるかを精査
現行の「区分記載請求書等保存方式」、2023年10月から実施される「適格請求書等保存方式」いずれにおいても、軽減税率8%の対象品目を扱っている場合のみ対応が必要です。正しく対応していくためにもまず、自社の扱う品目が軽減税率対象品であるか、精査しましょう。

・税率区分の確認と分類
軽減税率の対象品目がある場合、すべての品目について税率区分を確認・分類し明確にします。請求書の作成時に混乱が生じないよう、誰が見てもわかるようにしておくのが大切です。

・請求書書式の確認
請求書の書式が現行制度に対応しているか、不備がないかを確認します。書式の変更がある場合、取引先にその旨を伝え、情報を共有しておきましょう。

すべて消費税率10%なら、「軽減税率対象品目」「税率ごとの税込み金額」の記載はいりません。その場合は以前の「請求書等保存方式」のフォーマットが使用できます。しかし念のため「10%対象である」と記載したほうが誤解を招かずにすむでしょう。

軽減税率の請求書のサンプルを見てみよう

軽減税率が導入された結果、請求書はどのように変わったのでしょうか。
1. 軽減税率導入前
2. 「区分記載請求書等保存方式」実施後
3. 「適格請求書等保存方式」(インボイス制度)導入後

3つのパターンから請求書のイメージを見ていきます。

・2019年9月30日以前

軽減税率導入前は消費税が一律8%とされていたため、「税込み表示である」点が記載されていれば特に別記する項目はありませんでした。

・「区分記載請求書等保存方式」

現行の「区分記載請求書等保存方式」では、軽減税率が適用されている品目に印を付けて記載します。さらに税別ごとの品目合計金額を記載するのです。

・「適格請求書等保存方式」(インボイス制度)

2023年10月以降に適用される「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」では、現行の様式にくわえ、「適格請求書発行事業者登録番号」を記載し、発行元が適格請求書登録事業者であると明示します。現行の書式では軽減税率の品目が混在している場合、「その存在を明確にする」「消費税率別の合計金額の記載」が必要とされています。「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」の導入後はさらに、「適格請求書発行事業者登録番号」が必要になるのです。

いずれの場合でも、取引先が仕入税額控除の適用を求める場合、制度に合わせた請求書が必要となるため依頼に応じなければなりません。

現行では書式の変更のみで対応できるものの、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」では適格請求書発行事業者の登録を済ませておかなければ対応できないため、早めの準備が必要です。


ルールの変更に合わせた請求書を使おう

軽減税率制度の導入に従い、請求書書式のルールが変わっています。軽減税率制度を再び確認し、しっかりと理解したうえで、自社の事業品目に合わせて対応しましょう。

また2023年10月からは現行の制度が変更となり、軽減税率対象品目を扱っている場合、「適格請求書発行事業者登録番号」の記載が求められます。いずれの制度でもポイントとなるのは、品目の税率区分です。正しく取引内容を管理するためにも、税率区分に従った請求書を使用しましょう。。

※本記事は更新日時点の情報に基づいています。法改正などにより情報が変更されている可能性があります。

監修者プロフィール

『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部

この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。

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