株式会社スパイスワークス取材日 2017年7月21日

直営・FC店舗へのレシピ共有にメニュー管理機能を活用。
オペレーションが正確になり、食材の原価管理にも役立っています。

利用サービス 受発注(発注)/ 規格書(買い手) | エリア 関東 | 業種 居酒屋
株式会社スパイスワークス

2006年の設立から現在まで直営・FC合わせて63店舗を展開する、株式会社スパイスワークス様。業態の種類も多く、焼肉の寿司や鉄板焼き、魚介のビストロ、エビ専門店、焼き鳥、ジビエなど実に様々。今回はメニュー開発を担当する開発本部ラボ長に、多彩なメニューのレシピ管理や調理スタッフへの共有・指導方法について伺いました。

ココがPOINT!

レシピの管理にシステムを導入。
調理スタッフとのやり取りが具体的に

― 現在63店舗を展開されていますが、業態もたいへん多いですね

2017年8月の時点で30業態です。業態が多いとメニューも多くなる上、弊社では変更の頻度も高く、毎週メニュー開発の会議を開いています。

― 会議はどのように進めているのでしょうか?

業態ごとにいる料理人が考案したメニューを、異なる業態のスタッフが試食してアドバイスしています。その業態のスタッフだけでメニュー開発すると客観的に見られない部分があるため、全員で見る体制にしているのです。レシピは、エクセルでフォーマットを作り、盛り付け写真を貼って店舗に共有していました。ただ、私が中心で作ったレシピだけでも3業態で600ほどあります。ファイルの管理が大変で、スタッフが見た時にレイアウトが崩れていることも多々ありました。また、ある業態で人気のメニューを他業態に転用できるのに、エクセルがどこにあるか見つけ出せない、あるいはスタッフの入れ替わりで紛失してしまったということもあります。

メニューは、その業態のコンセプトのもとで考えられ、生まれます。このためレシピは会社の資産です。本来ならきちんと記録して管理すべきなのに、人とともになくなってしまっては、すごくもったいない。こういった問題を解決するため、現在はメニューの管理システム『メニュー管理機能』を使ってレシピを管理しています。

― システムで管理したレシピを、どのように調理スタッフに教えているのでしょうか?

我々が作成したレシピはウェブで共有されるので、店舗の調理スタッフはタブレット端末で見て、正しい作り方を覚えます。あくまでツールのひとつですが、システム化したことでスタッフは予習し、メニューを学習する時間が短くなっているんです。また、使用する食材の確認も簡単にできるようになりました。以前はメニューに使う仕入れ品の確認もアバウトになっていて、調理場ではチェックも行き届いていませんでした。今ではシステム上のレシピに記載されている材料をクリックすると、詳細が確認できます。料理人と調理スタッフとのやりとりも具体的になり、オリジナルレシピについて、スタッフからもっとこうしたいなどの意見が出るようになっています。

開発本部 ラボ長

保健所とのやり取りも迅速に対応

― 生食用食肉メニューの提供で、保健所の対応もするそうですね?

弊社が手がけているメニューの中には、生の馬肉や牛肉などを使った寿司などがあるので、店舗では保健所とのやり取りの対応に備えるため、食肉の商品規格書を用意しています。

保健所の担当者に「どういう根拠で、肉を生食で出されているのでしょう」と尋ねられることもあるので、規格書を提示してご納得いただいています。

― 規格書はどのように用意しているのでしょう?

規格書の管理システム『BtoBプラットフォーム 規格書』を使って、仕入先の問屋さんからデータでもらっています。加工記録なども記載されるので、保健所担当者との対応もスムーズですし、こちらが問屋さんへ食肉や食品表示について質問する際も、同じデータを見ながらやり取りするので、返答を早くいただいています。以前は問屋さんから規格書を後日ファックスで送ってもらっていたので、こうはいきませんでした。

― メニューが多ければ仕入れも増えますね。発注や原価管理はどうされていますか?

発注業務では、発注システム『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入しています。以前まで、店舗ごとにファックスで発注し、エクセルに数字を入れて、本部が全店舗の内容をまとめて請求内容と照らし合わせていました。これでは店舗数が多くなって金額などで問題が起きると、原因を探るのに時間がかかっていたのです。なかなか改善できないことからシステム化しました。

発注金額はCSVで一括ダウンロードできるので、照合の手間がだいぶ省けるようになりました。現場での発注作業も、店舗スタッフはタブレット端末を使って操作しています。数量を入れて確定すれば発注が完了しますから、ファックス送信の作業が大幅に簡略化されました。用紙の送り漏れがなくなり、在庫管理しやすくなったことも大きなメリットです。

また、原価の管理も、先ほどの『メニュー管理機能』と発注のシステムを連携させて、毎月、店舗ごとにメニューの販売実績と理論原価を照らし合わせています。寿司などは販売数が多く、10gのズレがあっても大きな差になるのです。このため実際の原価が理論値と乖離している店舗は、2週間に1回棚卸をさせ、検証した上で「もう少し仕入れを少なく」という指導をしています。システムを使って仕入れ品のロスを管理して、いろいろ改善できたこともあります。焼肉業態などでは各店でブロック肉をさばいていたのですが、歩留まりが人によって変わっていて、これが原価に大きく影響していたのです。理由が明確になったことで、加工度を上げた肉に仕入れを替えようという話もできるようになりました。

また、肉寿司の業態は運営母体が弊社から他社へ変わりましたが、メニュー開発は今後も変わらずに私たちが担っていきます。このため、レシピを共有するこの機能は、一層不可欠になると思っています。

地方への出店で新しい料理を発掘

― これから開発したいメニューを教えてください

今後の店舗展開の中で、出店する地域はさらに広域に渡るでしょう。店舗スタッフは地元の方だったり、地元の食材を使ったりすることもあるので、その土地ならではのメニューを作っていきたいです。

また、フランチャイズ店舗の中には、独自のメニューを作りたいと思われている方もいるでしょう。その時にレシピをきちんと管理する環境があれば、いろいろな可能性が広がります。例えば、北海道フェアを東京の店舗で行おうと考えた場合、北海道の店舗でできたローカルメニューのレシピがあれば、スピード感を持って実行できます。そういう場合に、レシピを共有できる環境が整っていれば、本部との意思の疎通も取りやすくなります。

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株式会社スパイスワークス

設立2006年5月
事業内容飲食店経営、プロデュース及びFC展開、店舗設計・施工
店舗数63店舗(2017年8月末現在)
代表者代表取締役 下遠野 亘
本社所在地東京都台東区浅草橋1-7-6 SW1ビル
企業サイトhttp://www.spice-works.co.jp
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