三和食品株式会社取材日 2018月5月22日

個店からの小ロット注文や再配達にも柔軟に対応。
企業努力を支えるのは、積極的なシステムの活用です。

利用サービス 受発注(受注) | エリア 関西 | 業種 総合卸
三和食品株式会社

大阪に本社を置き、居酒屋をはじめ幅広い業態の飲食店向けに業務用食材を販売している三和食品株式会社様。創業から続く個店向けの少量取引や再配達をできるだけ請け負うきめ細やかな対応で成長してきました。企業努力は欠かせないという専務取締役 河﨑様に、どのように顧客対応しているか伺いました。

ココがPOINT!

創業時から続く、「ないとは言わない」顧客対応

― 事業内容を教えてください。

専務取締役 河﨑氏(以下、河﨑専務):弊社の創業は1988年、鶏卵や業務用液卵の卸売がはじまりです。当時は毎日、カフェやパン屋さんといった得意先へ御用聞きにうかがっていました。そのうち卵以外の食材も注文したいというご要望が増えて、先代社長が断らない性格で、商品を揃えるようになりました。現在では食材や備品あわせて約1万アイテムを取り扱っています。今でも、ないとはいわない商売をするのが弊社の方針です。

業務用液卵は今でも主力商品です。通常、液卵を大手メーカーに発注すると5kg、10kg単位となり、使わない分は保存もきかないので廃棄になってしまいます。弊社では納品当日に卵を割り、少量からでも自由な分量のご注文に対応しています。液卵以外にも、商品には最低ロットを設けず、どんなものでもひとつからお届けしています。特にストッカーの容量が少ない個店さんに使い勝手がいいと喜ばれていますね。このような対応で、得意先は大阪府内全域と、兵庫、京都の一部エリアの居酒屋をはじめ、喫茶店、イタリアン、中華や老健施設まで幅広くお取引いただいています。

― 顧客対応では、どのようなことを重視していますか?

河﨑専務:まず、注文は24時間受けており、留守番電話やFAXで深夜1時までにご注文いただいたものは、当日午前中にお届けします。中には朝10時くらいに「注文忘れた、ランチに間にあわへんから持ってきて」とお客様から電話がかかってくることもあります。その場合でも可能な限り、社内にいる営業担当が個別に対応します。

もし、弊社が食材を届けなければ、そのお店は時間のない中で仕込みの手をとめて、ご自身で買い出しに行くしかありません。最近は個店への再配達を採算に見合わないといって対応しない卸企業も多いのですが、弊社は逆に小回りをきかせて、信頼関係を築くことを何より大事にしています。

― 従業員にはどのように教えていますか?

河﨑専務:大阪は人情の土地柄で、仲良くなる前と後では付き合い方が違います。ですから、配送員にただ商品を運んで置いて帰るだけではなく、箱から出して並べたり冷凍庫に入れたりして、その中でお客様と会話して、コミュニケーションをとるよう意識を持たせています。すると経験の少ない若手配送員がお客様から食材の知識や価格の相場を学んで、成長していきます。

さらに得意先からかわいがられて「兄ちゃん愛想いいし毎日来てくれるから、同じ商品なら兄ちゃんから仕入れるわ」と言ってもらえると、売上があがることで当人の成果になるし、やりがいにもつながりますよね。得意先にも「他より少し高くても仕入れるわ、そのかわりこっちの商品安くしといてや」といったギブ・アンド・テイクもある良い関係が築けます。合理化を追求した運送業者では、まず無理でしょう。

専務取締役 河﨑 洋平様

個別対応の労力をITの活用で対処

― そんな昔ながらの商いは、珍しくなってきた気がします。

河﨑専務:弊社のこうした細やかな対応は、一言でいえば企業努力です。しかし働き方改革も話題になっていて、弊社でも1人あたりの労働時間や年間休暇日数取得の改善に取り組んでいるところです。効率を上げるのはなかなか難しく、人手を増やして作業を分散させたり、ITを活用したりして対応しています。

事務室長:ITでは基幹システムをグレードアップして、帳票データやピッキングリストなどの作成時間を短縮したり、インターネットを通して受注するシステム『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入して、伝票を手入力する手間を減らしたりしています。ネット受注では、システム上の注文データをCSV形式でダウンロードして、弊社の基幹システムへ取り込めば自動で伝票発行までするので、時間はかかりません。FAXや電話の注文を手入力する場合、1件あたり2分かかります。1日に100件ほどネットで受注しているので、200分間を削減していることになります。手入力と違って転記ミスのリスクがないのも大きなメリットです。

また、個店の飲食店が無料で発注できるサイト「大阪食材卸ナビ」を、『BtoBプラットフォーム 受発注』の『受発注ライト』機能を使って運営しています。現在では新規の取引先はウェブをきっかけに取引が始まることがとても多くなってきました。弊社では毎月30件ほど新規取引があるのですが、その半分が受発注ライト(大阪食材卸ナビ)からのお問い合わせです。ウェブ発注されている飲食店の傾向として、若い方ほど抵抗がなく、特にスマートフォンからも発注できることがハードルを下げているようです。「試しにやってみようか」と始めていき、今は200店舗近いお取引先に無料のウェブ発注をご利用いただいています。

事務室長

商品の新規取引に商品・レシピ特集を活用

― 「受発注ライト」では、販促機能もご活用されていますね。

事務室長:弊社のメインのお取引先になっている居酒屋さん向けに、オペレーションの手間が省ける便利な商品や、季節感のある商品などを中心に発注サイトで紹介しています。2人体制で「居酒屋人気メニュー特集」や「和惣菜特集」など、商品をテーマごとにまとめた特集ページを2週間に1回のペースで更新しているのですが、これが意外と反響あるんです。馴染みのお客様から「今回の特集、よかったよ」というお声をいただき、実際にランチに使う食材として採用してくださることもあります。メルマガも配信していますし、常にネットを通して情報提供できることが利点ですね。

河﨑専務:受発注業務をシステム化するメリットは、弊社だけではなくお客様側にもあります。たとえばチェーン展開されている飲食店さんの場合は、各店舗の発注や請求を本部がしっかり管理できますし、個店さんの場合は、店にいなくてもスマートフォンから簡単に発注できる点でしょう。店を離れ、帰宅中に忘れていた発注を思い出してもスマホからポチっと注文できます。「これが便利やねん」という声はいただいていますね。

― 今後、どのようなことに取り組んでいきたいですか?

河﨑専務:今後も小回りのきいた対応を心がけて、個店さんの需要に丁寧に応えていきたいです。そして、地元大阪でしっかり土台を固めたら、長期的には東京への進出も視野に入れています。首都圏は飲食店の数も多く、そのぶん細かいニーズも多いと思うので、そこに寄り添うご提案をしていければと考えています。

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三和食品株式会社

設立1988年5月
事業内容業務用食材・資材の販売卸
代表者河﨑 正博
本社所在地大阪府大阪市城東区放出西3丁目3番17号
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