公立学校共済組合 福岡宿泊所 福岡リーセントホテル掲載日 2021年9月16日

用度と調理場の働き方改革で発注システムを導入。
発注と棚卸、請求処理の作業時間も短縮しました。

利用サービス 受発注(発注) | エリア 九州 | 事業内容 ホテルの運営 | 取材日 
福岡リーセントホテル

公立学校共済組合の宿泊施設として、教職員のほか一般のお客様をお迎えする福岡リーセントホテル様。社員の働き方改革や内部統制の強化を目的に、発注や棚卸業務をシステム化しました。発注にかかる時間は1時間から10分になり、調理場からの発注を承認制にしたことで内部統制の強化にもつながったそうです。管理課の担当者を中心に、システム導入の経緯を伺いました。

ココがPOINT!

    

ビジネスから宴会まで、幅広いニーズに対応

― ホテルの特徴を教えてください。

管理課長(以下、管理課長):当館は全国に36ある公立学校共済組合の宿泊施設のひとつで、学校教職員の福利厚生施設として運営しています。福岡周辺の企業様、福岡にお越しのビジネスマン、一般の方向けの会議や宴会、宿泊などさまざまなニーズにも対応しています。共済組合の施設とはいえ、独立採算制なので一般のホテルと運営上の違いはありません。おもてなしや料理にこだわり、レストランで提供する食材はできるだけ地産地消を心がけています。

ただ、福岡県は2020年4月から緊急事態宣言やまん延防止等重点措置のエリアにたびたび指定されていて、これまで需要があった大人数の会議も大きく減り、特に宴会需要はほぼゼロになりました。宿泊についても、出張の自粛でこれまで80%台だった客室利用率が30%台まで減少しています。現在は地域や個人のお客様へ向けて、レストラン利用のPRに力を入れています。

管理課長管理課長

    

生産性低下の原因は、用度への仕入れ伝票集中

― 受発注システムを導入された経緯を教えてください。

管理課長:もともとは宿泊業のコンサルタントの話から、受発注システムというものがあることを知りました。それまでは発注の際、ホテル内の調理場が紙の仕入れ伝票を用度へ提出し、用度がまとめて取引先へFAXか電話で発注していたのです。伝票が多いときで1時間以上もかかっていました。このムダを何とかしたいと考え、複数ある発注システムを検討してインフォマートの『BtoBプラットフォーム受発注』に決めたのです。

インフォマートを選んだポイントはふたつあります。ひとつ目は、現場から取引先へ直接発注するのではなく、発注内容を用度に申請して、用度がその都度チェックする『申請発注』機能がついている点です。当館の従業員は、公共性や公益性の高い業務を担う、みなし公務員にあたるため、内部統制の観点から現場の担当者と取引企業が密になってはいけません。チェック体制を充実させるためにも、「申請発注」機能は決め手となりました。本部の監査にシステム導入について説明した際も、用度の承認機能、発注内容の見える化は高い評価を受けています。

採用理由のふたつ目は、取引先の賛同率の高さです。価格面では他社と大きな差はなかったので、導入前に取引企業にアンケートを取り、インフォマートは導入事例が多く賛同率は80%ほどと高いことがわかりました。我々より取引先のほうがインフォマートのシステム導入をスムーズに進めていたようです。導入時も、インフォマートのシステムを利用したことのある従業員もいましたし、若いスタッフもすぐに覚えてくれたので難しい面はありませんでした。

    

発注時間が1時間から10分に短縮

― 発注作業をシステム化して、実際の効果はいかがですか。

管理課 総務係 主任(以下、管理課主任):もともとは調理課が手書きした発注伝票を、用度でエクセルの一覧にまとめて発注していたのですが、数量のミスや重複発注などが頻発していました。ひとつひとつミスがないかチェックしなければならず、早いときで30分、長くて1時間かかっていたのです。宴会前や週末などは、エクセルへの入力だけでさらに1時間かかることもありました。それが10分に短縮でき、業務効率が改善したのです。当館には和洋中のレストランがあるのですが、野菜などの発注量が多いときは、スケールメリットを活かした価格交渉もできるようになりました。

― 結果的に、労働時間や発注コストの削減につながったのですね。

管理課主任:以前は紙の伝票を1枚1枚めくりながら、会計システムに手で打ち込んでいたので、その作業だけで丸一日かかっていました。特に月末は3~4日分をまとめて打ち込んでいましたから、余計な残業も多かったと思います。それが今では、設定した書式でCSVに書き出したものを読み込ませるだけなので、すぐに終わります。

管理課 総務係 主任管理課 総務係 主任

    

毎月の棚卸業務も半日から2時間に短縮

― 発注作業のほかに効果がありましたか?

管理課主任:棚卸業務も、圧倒的に速くなりました。もともとは各部署から紙ベースで集まったデータを、用度がまとめてエクセルに打ち込んで計算していたので、それだけで半日がかりでした。今はインフォマートのシステムに入力すれば自動で計算してくれるので、1時間か2.5時間くらいでできるようになり助かっています。

管理課長:食材は時価なので、そのときの担当者ごとに価格が変わっていたのですが、これもシステム化で統一されました。

管理課主任:食材の原価計算は、ホテル向け販売管理システムで日々行っています。日ごとの売上と原価の推移が分析できるので、料理長と結果を話し合っています。

そのほかにも、受発注システムでやり取りしている仕入先からの、請求額の確定が早くなりました。以前は請求書が来るまで金額が分かりませんでしたし、請求書が届くまで何日も待ったり、電話して確認したりといった作業で、締め作業に1週間以上かかることもありました。それがシステム導入後は3日ほどで確定できるようになり、非常に助かっています。月1回の経営会議に提出する資料の作成も早くなりましたし、確かな数字が出せるようになったのは大きいです。現場でも、紙で発注していた頃とは違って1日1日の仕入額が見えますから、原価意識の向上につながっていると思います。

    

IT化を進め、さらに接客を充実させたい

― 今後の展望をお聞かせください。

管理課主任:仕入れ伝票の入力をもっと簡単にしたいです。今はすべての従業員が100%システムを使いこなせているわけではないので、定期的に使い方などを指導するなどして、全員がしっかりITに馴染めるようにしていきたいと考えています。システム化で業務効率が上がれば、現場でお客様に使える時間も増えるでしょう。用度なら業者と折衝する時間、調理課ではメニュー開発など、従業員が本来やるべきことに時間を当てられるよう、さらにITの導入を進めていきたいです。

管理課長:これからは働き方改革が重要になります。私たちは独立採算ですから、残業代などのコストはシビアに考えています。機械ができることは機械にやってもらって、従業員はホテルならではの接客に力を割いてもらいたいですね。

(中央)総支配人 佐藤義一 氏(中央)総支配人 佐藤義一 氏

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設立1987年4月
事業内容ホテルの運営
本社所在地福岡県福岡市東区箱崎2丁目52番1号
企業サイトhttps://www.recent-hotel.com/