株式会社山方屋掲載日 2022年11月22日

LINEを使った受発注システム『TANOMU』を導入。
取引先の半数が利用し、受注時の確認作業が減りました。

利用サービス 受発注(発注)/ 受発注ライト / TANOMU | エリア 九州 | 
事業内容 業務用を中心とした食肉の加工・販売 | 取材日 
株式会社山方屋

株式会社山方屋は福岡県福岡市で1935年に創業した食肉卸。飲食店の要望に合わせた食肉の加工に強みがあり、居酒屋をはじめとした飲食店やホテルに商品を供給しています。

取引先によって取り扱う部位や加工方法が異なるため、電話とFAXによる受注処理に人手と時間がかかるという課題を抱えていました。アナログ業務を減らすため、LINEを使った受発注システム『TANOMU』を導入。システム化は同社と取引先の双方にとってメリットが大きかったといいます。

ココがPOINT!

名無しのFAX、曖昧な商品名の確認に苦労

―山方屋の事業内容について教えてください。

経理課 課長代理 システム担当 村岡みどり氏(以下同):「当社は、食肉・食肉加工品を主力商品とした食品卸売として、主に福岡市内にあるホテルや居酒屋をはじめとした飲食店に商品を販売しています。

コロナ禍の取り組みとしては、卸売事業だけでなく、巣篭もり需要にも力を入れようと通信販売をスタートし、全国への発送を行っています」

―システム化に取り組んでいることと、その背景についてお聞かせください。

「労働環境を良くするために受注業務をデジタル化しました。これまで注文は電話かFAXで受けていましたが、たくさんの時間と労力がかかります。たとえば、FAXの注文にお客様の名前がなかったり、商品名に「ロース」とだけ書かれていたりということがありました。ロースだけでは牛か豚か、もしくは鴨肉もあります。曖昧な注文を受けた際には電話で確認しなければいけません。そういった確認作業の時間を削減するために受注業務のシステム化に取り組みました。

今までもシステム化には取り組んできましたが、受発注のシステムを自社で構築するのは難しい面がありました。そのため2019年にインフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注ライト』を導入したのです。

受発注のシステム化は飲食業界で広がっていくだろうと当社では考えていたため、基幹システムを大幅にリニューアルする際に、これまで使用していた商品コードをインフォマートのシステムと連携しやすいように作り替えました。

これにはいくつもメリットがありますが、例えばピッキングリストに商品コードがきれいに並ぶようになりました。商品コードを揃えることで、受注、商品加工、ピッキング、出荷という、入り口から出口までの一連の流れが効率化されます。

受注業務のシステム化によって、時間と経費の部分がかなり圧縮できたので、その後もシステム化に向けて、力を入れて取り組んでいます」

経理課 課長代理 システム担当 村岡 みどり 氏経理課 課長代理
システム担当
村岡 みどり 氏

LINEを使った受発注システム『TANOMU』

―2022年7月に『TANOMU』も導入されていますね。

「LINEは国内の利用率がかなり高いので、商品の受発注をLINEでできれば注文の機会が増える可能性も充分あると思っていました。

元々は他社のLINEを使った受注ができるシステムを導入する方向で進めていましたが、基幹システムと連携するうえで親和性が高いため、『TANOMU』を導入することにしました。

システム化できるところはすべて変えていくというのが当社の基本的な考え方です。『BtoBプラットフォーム 受発注ライト』と『TANOMU』を併用し、基幹システムともデータ連携させることでアナログの作業を極力省きたいと思っています」

―受発注システムの導入で、電話やFAXの負担はどれくらい減りましたか。

「私の業務は毎日の受注から納品書の発行、請求管理などです。『BtoBプラットフォーム 受発注ライト』と『TANOMU』を併用してシステムでの受注にしたことで、FAXによる受注は半分近くまで減りましたし、留守番電話については日に3分の1にまで減っています。作業時間にすると、1日に30~40分は減らせています。

また、現在は電話とFAXで注文されているお客様に対しても、『TANOMU』への移行をお願いしている状況です。ほとんどの方から「いいですよ」とお返事をいただき、利用社数は増え続けています。稼働から3カ月ほどですが、店舗登録数の約半分は『TANOMU』から発注いただいています。新規の取引先様に関しては、取引がはじまる段階から導入していただいています」

―システムの稼働にあたって、ご苦労された点はありますか?

「当社では扱っているアイテム数が1万2,000点以上あるので、『TANOMU』を稼働するにあたり、商品の登録には苦労しました。ただ、最初に時間をかけただけあって効率化は進んだため、最初にかけた時間分はすでに取り返していると思います」

飲食店と共にデジタル化を進め、さらなる効率化を目指す

―今後の展望についてお聞かせください。

「『TANOMU』には、LINEでお客様にチラシを配布できる機能があります。この機能を使ってお得な情報を発信し、LINEからの受注につなげたいと思っています。そうして取引先のシステム利用率を上げていけば、双方にとって電話やFAXによる作業負担が減らせます。

他には、非接触決済のニーズが増えていたこともあり、業務用の取引でクレジットカード決済をスタートしました。

食肉卸では現金取引が慣例となっていますが、業務用は取引先にとって仕入れ額が大きくなります。現金取引では手元に現金がなければ銀行へ行く必要がありますが、その手間が省け、お得にポイントも貯まりやすくなります。決済手数料はかかりますが、顧客満足度を高めることにつながるので導入してよかったです。

当社は紙を使ったアナログ業務をすべてデジタル化し、ペーパーレス化を目指しています。これは実現できると考えています。飲食業界全体でデジタルに慣れた若い世代が増えていて、業界内での考え方や慣習にも影響を与えているように思います。特に感じるのが、飲食店さんが卸売企業をパートナーだと意識いただいていることです。

そうした変化も背景にあり、飲食業全体で受発注の“言った、言わない”のようなトラブルを避けたり、長時間労働を減らしたりという考えが広がってきているのではと考えています。

また、コロナ禍によって個性のある個店さんに注目が集まっています。当社では、まさにそういった個店の取引先様からの細かなニーズに合った食肉加工ができることを強みとしています。今後も細やかな発注に対応するためにも、『TANOMU』を活用して、受注業務の負担を減らして、いい商品をご提供していきたいですね」

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株式会社山方屋

創業1935年10月
本社所在地福岡県福岡市博多区美野島2丁目1番33号
事業内容業務用を中心とした、食肉・食肉加工品・輸入食材の販売、及び食肉の加工
企業サイトhttps://yamagataya.jpn.com/about/
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