株式会社スープ工房掲載日 2023年1月10日

『TANOMU』の導入で受注の8割をデジタル化。
労働環境の改善で離職率を減らしました。

利用サービス TANOMU | エリア 関東 | 
事業内容 業務用を中心としたラーメンスープ・炭の製造・販売 | 取材日 
株式会社山方屋

株式会社スープ工房は、業務用ラーメンスープの専門卸売業として、個人店からFC展開している大規模な取引先まで幅広い顧客を持っています。スープの種類は百数十種類を数え、これまでにお取引先様の要望に応じたスープ開発も数多く手がけています。

取引先が多い分、受注業務が電話やショートメールと煩雑化。そこで受注業務が電話やショートメールと煩雑化していたため受発注システム『TANOMU』を導入しました。残業の削減はもちろん、従業員満足度、顧客満足度ともに向上したといいます。システム化による、好影響について代表取締役社長の野口順也氏に伺いました。

ココがPOINT!

飛び込み営業で培ったスープ作りの知恵と経験

―スープ工房では、業務用ラーメンスープの販売をされていますね。

代表取締役社長 野口 順也 氏(以下同):当社では、ストレートスープと濃縮スープを販売しています。業務用のスープというと缶詰めされたものをイメージされる方もいますが、当社のストレートスープはお店で作るのと変わらない製法で、大きな釜を使い水と原料から時間をかけて炊き、それを冷凍パックにしています。濃縮スープは、一度炊いたスープを専用の濃縮機にかけて水分を減らし、スープエキスにしています。お店では、濃縮スープに水を加えてお使いいただきます。

当社は静岡県に本工場があります。実は、コロナ禍でラーメン業界全体は売り上げが伸びています。というのも、ラーメンは基本的に黙食なので、大きな影響を受けませんでした。それから、コロナ禍で売り上げが厳しくなった居酒屋からラーメン屋への業態転換も増えました。その際、当社のスープを試して開店を決めていただいたケースが多くあります。そうした背景があり、当社も売り上げを伸ばしました。

スープ工房 代表取締役社長 野口 順也 氏スープ工房 代表取締役社長
野口 順也 氏

―野口社長が起業された経緯を教えてください。

以前勤めていた食品会社でラーメンスープ事業を立ち上げました。その後、独立してラーメンスープ専門の当社を2012年に設立しました。当初は、飛び込み営業でお取引先様を増やしました。企業経営でラーメン店を複数展開しているような会社です。当社のスープを使っていただければ、次の新業態を作る際に、スピーディに業態開発ができますから。

そのためスープ開発にも力を入れました。毎日お店のアイドル時間を狙って、企業経営のラーメン店のほか、個人店も含めて日に15、16軒へ伺いました。そのうち5、6軒は厨房でスープを試飲させていただき、当社のスープの中にお店と近い味があれば、使っていただくということをしていました。

そんな営業方法を4、5年続けるうちに、こういうスープが売れるという感覚と知識が私の中で蓄積されていきました。その知識をベースに当社の工場で商品開発を行い、同時にお客様の要望を受けたオリジナルの商品も作るようになりました。結果的に、現在では百数十を超える種類のスープを作っています。その他、チェーン展開をされている企業とも商品開発を行っています。

労働環境、職場の雰囲気の改善にも大きく影響を与えた『TANOMU』の効果

―お客様の数も相当な数になっているそうですね。

現在、当社でスープを販売しているお取引先様は5,000件ほどです。コロナ禍前と比べると、売り上げで1.6倍ほど増加しました。受発注システムを導入する前は、電話やショートメールによるアナログなやり方での受注でしたので、正直、従業員は残業も多かったですし職場の雰囲気も殺伐としたものになっていました。

そもそも、受注業務を長年うちで働いてくれていたベテランの従業員にまかせっきりにしていました。受注は基本的には電話やスマートフォンのショートメールで受けていました。その後、LINEで受けるようになっていたのですが、土日の休み明けに会社へ来るとLINEに100件を超える注文が入るような状況でした。

しかも、注文内容が「黒いの1個」とか、「豚ちょうだい」「いつものお願い」など、お客様の名前を調べ、注文内容と照らし合わせなければならず、とにかく煩雑でした。しかも、1台のスマホですべての注文を受けていたので、結局、事務処理できるのは1人だけです。注文内容を確認しているうちに、そのスマホに電話での発注が入るとLINEでどこまで確認したかも分からなくなり、余計に時間がかかるという悪循環に陥っていました。そんな状況でしたから、昼休みもなく、夜7時、8時まで残業というのが日常化してしまい、離職率も高くなってしまったのです。

―その状況を改善するために、受発注のシステム化をされたのですね。

実は長年勤めた従業員が退職する際に、厳しいことを言われました。「誰がやっても同じように処理できるシステムを導入しないと、このままでは会社の存続は難しい。いまメスを入れないと、どんな人が会社に入ってくれても業務の大変さに辞めてしまう」と。この言葉に、私も深く反省しました。そこで、受発注システム『TANOMU』を導入したのです。

TANOMU』を導入してから、業務も職場の雰囲気も本当に大きく改善されました。殺伐としていた職場でしたが、今では笑い声が聞こえるほどにまでなりました。

まずは受注の際にお客様の名前や店名を調べるのが圧倒的に楽になりました。というのも、取引先5,000件のうち同じような名前のお店が大量にあるので、リストを確認するだけでも一苦労だったのです。

TANOMU』では、受注する際に、メモ欄にお客様情報を書き込むことができるので、初めてのお客様でも、最初の注文時に住所や正しい店名などを打ち込むようにしています。そうすることで、注文書を印刷する際に一緒にお客様情報が記載でき、以前まであった受注時の間違いがなくなりました。

そして商品名による間違いもなくなりました。システム導入前は、ショートメールや電話で、「とんこつ黒いのと、茶白を1個ずつ」といった熟練した従業員でも判断に迷う注文がたくさん入っていました。しかも、注文内容を聞き返すと気分を害されるお客様もいるので、結局は従業員が店名などから過去の注文を見直して、注文書を作るしかなく、間違いも出てしまいます。それでは時間の浪費ですし、従業員の精神衛生上もよくありません。『TANOMU』を導入してからは、商品マスターにある商品の数量を入れて注文いただくので間違いがありません。今では受注の8割は『TANOMU』で受けています。

―ほかにも、効果を感じていることはありますか。

我々にとって画期的であり、まさに求めていたのがメッセージ機能です。これまで入金の遅れは、お客様へ電話やショートメールでお知らせしていました。ですがショートメールでは「見てない」と言われることもあり、また当社が忙しいと支払いの催促が遅れてしまうこともありました。

メッセージ機能は取引先に一斉送信ができますので、遅延なく入金のお知らせができます。お客様も『TANOMU』から発注しているので、「支払いのお願いのメッセージを見ていない」とは言えません。業務も楽になりましたし、実際に入金が遅れる方はほぼなくなりました。

―コロナ禍で大変なこともあったそうですね。

2022年7月に私も新型コロナウィルスに罹患してしまい、従業員も出社できなくなってしまいました。その間もお取引先様からの注文はあります。『TANOMU』で業務がかなり効率化されていたため、受注内容を工場に送るくらいであれば無理なくできました。これが、LINEをいちいち確認して、お客様情報と過去の発注内容を照らし合わせて注文書を作成し…という以前のやり方では到底、受注を捌けなかったでしょう。『TANOMU』は救世主といってもいいくらいです。

ラーメン業界を支える裏方として、頑張りたい

―今後の展望についてお聞かせください。

当社の売り上げが拡大していくなかで、業務も煩雑になりました。そうした中で、あらためて従業員の大切さに気付かされました。以前、従業員に「サッカーで言えば、社長はお客様や新しいスープを作るフォワードで、私たち事務作業をする従業員はディフェンダーだ。ディフェンダーがしっかりと機能しなければ、クレームも増えるし、それは会社の信用にも直結する」と言われました。本当にその通りなんです。コロナ禍での業容拡大を乗り越えたことで、従業員への感謝の心を新たにしました。今では残業もなくなりましたし、笑い声も聞こえる職場になりました。『TANOMU』の導入によって、離職率も下げることができると思っています。

また、ラーメン店を経営するのは本当に大変です。特にスープ作りは重労働ですし、嫌がる人もいて、人材確保も難しい面があります。そこにより美味しい、使いやすい業務用スープでラーメン業界の縁の下の力持ちとして、少しでも尽力することができれば、お取引先様にも喜んでもらえますし、そういった取り組みはいずれ当社にも返ってくると思っています。

工場の拡大もしましたし、お客様の要望にも余裕を持ってお応えできますから、ラーメン業界の裏方として、これからも支えていきたいですね。

業務用ラーメンスープ業務用ラーメンスープ

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株式会社スープ工房

設立2012年6月5日
本社所在地東京都小平市花小金井南町1丁目18番39号
事業内容業務用を中心とした、ラーメンスープ・炭の製造、販売
公式ホームページhttps://www.soup-cobo.com/
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