森永商事株式会社掲載日 2024年3月19日

FAX発注書の入力をOCR処理で自動化。
従業員の作業時間が3分の1になりました。

利用サービス 受発注(発注) | エリア 関東 | 事業内容 業務用食品素材の開発・販売 | 
取材日 
森永商事株式会社

森永製菓のグループ会社として、業務用チョコレート・ココアなどの開発・販売を行う森永商事株式会社。同社の受注センターでは全国の取引先から送られるFAX注文書の受注処理と納期回答のリファックスに、多くの人員と時間を割いていました。

従業員の負担を軽減するため、『BtoBプラットフォーム受発注ライト』とオプション機能の『発注書AI-OCR(invox)』を同時に導入。手作業の手間が大幅に削減されました。

ココがPOINT!

業務用チョコレートなどの注文を受け、全国へ配送

―事業内容について教えてください。

受注センター リーダー 松山しおり氏(以下同):当社は森永製菓グループの一員として、業務用製品の開発・販売を行っています。具体的には、卸売業者さんを通してチョコレートやココア、コーンフレーク、ビスケットクランチといった食品を、全国の洋菓子店やパン屋、メーカーなどのユーザー様にお届けしています。私は受注センターで、取引先様からの注文内容を全国に4カ所ある配送センターにデータ送信する業務を担当しています。

森永商事株式会社 受注センター リーダー 松山 しおり 氏受注センター リーダー
松山 しおり 氏

―これまで受注業務はどのように行っていたのでしょうか。

取引先様からの注文はFAXで受けています。受注センターではその注文内容と、得意先コード、商品コードを照らし合わせ、どの取引先様が、何をどのくらい、どの拠点にお届けしてほしいかを1枚1枚確認します。次に在庫を確認し、納期回答のリファックスを行うまでが一連の流れでした。

取引先様のなかには1社で複数拠点を持っていらっしゃったり、卸売業者さんを介さず直接ユーザー様に商品を送ったりするケースもあります。「届け先のA社からFAX注文するが、返信先はB社にしてほしい」など、企業ごとに異なるルールがあり、受注作業が属人化していました。ミスに気を付けつつ、毎日昼12時の締めに間に合うようにとプレッシャーを感じながら作業することもありました。特に繁忙期には人員が足りず、現場に負担がかかっていたのです。

『発注書AI-OCR』と『BtoBプラットフォーム受発注ライト』を同時導入

―業務改善を検討されていたそうですね。

受注センターの負担軽減のため、FAX発注書の内容をデータ化するOCRサービスの導入を長らく検討するなかで、インフォマートさんの『発注書AI-OCR(invox)(※1)』を知りました。導入を決めた大きなポイントは商品の特定機能です。

『発注書AI-OCR(invox)』は同一商品の別銘柄を区別でき、商品特定に特化していて、さらに機械学習をして読込み精度が上がっていくため、手入力の作業を省力化できると感じました。当社で使っている基幹システムとCSV連携できるのも、理由のひとつです。

※1「発注書AI-OCR(invox)」とは、『BtoBプラットフォーム 受発注ライト』の有料オプション機能です。商品特定に特化したAIが搭載されており、取引先の商品名・商品コードに紐づけた「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」のマスタを学習することで2回目以降の商品特定が自動で可能になります。

商品画像【ココアパウダー】:仕上がりは香り高く、風味豊かに【ココアパウダー】
仕上がりは香り高く、風味豊かに
左:ローヤル NPC ココア
右:ブラックココア

―導入準備はどのようにされたのでしょうか?

FAX発注書を読み込む『発注書AI-OCR(invox)』と商品を紐付ける『BtoBプラットフォーム受発注ライト(※2)』を同時に導入し、取引先様のFAX発注書の取り込みは段階的にではなく全社一斉に開始しました。理由としては、納期が早い取引先様の発注から優先的に処理していく際に、システムを導入している得意先としていない得意先の仕分けに時間がかかるため、結果的に負担がかかることを懸念したからです。

特に、『BtoBプラットフォーム受発注ライト』の商品マスタと『発注書AI-OCR(invox)』で読み取った内容を紐づけるための登録作業には時間をかけました。FAXの書式レイアウトの設定もかなりの数に上りましたが、受注からデータ送信までのフローを少しでも効率化するために、夕方などの空き時間を見つけては調整を進めていきました。新商品が増えた際も、OCRで読み取れないままでは手作業での受注処理になってしまうので、早くすべてを読み取れるよう急ピッチで準備を進めました。

インフォマートさんのサポート体制もあり、結果として繁忙期を迎える前に導入作業を終えることができました。「分からないことがあればすぐに電話をください」とおっしゃっていただき、一時期は毎日、担当の方へ相談の電話をしていました。そのおかげで不明点はすぐに解消でき、スムーズな導入に繋がったと思います。

※2『BtoBプラットフォーム 受発注ライト』は、卸やメーカーなど受注する側が取引先の飲食店などに無料IDを発行することで発注側が無料で利用できるシステムです。システム化できず電話やFAXで発注していた取引先ともデータ受注・管理が可能になります。sub>

商品画像【クーベルチュール】:そのなめらかさ、そのツヤ、最高級【クーベルチュール】
そのなめらかさ、そのツヤ、最高級
左:コンキスタドール 66%
右:セレニティ

受注処理にかかる時間が1件あたり3分から1分弱に短縮

―効果はいかがでしたか。

発注書AI-OCR(invox)』導入後の受注センターの処理能力は、倍近くなりました。作業にかかる時間は、1件あたり3分から1分弱へと短縮され、以前は12時までの締めに追われていたのが、繁忙期でも午前中に余裕をもって終えられるようになりました。

従業員の負担が軽減され、部署の人員も削減できたのは大きな成果です。導入当初は読み込んだデータの修正もしていましたが、フローの調整とAIによる機械学習の甲斐あって、現在ではデータの修正もほとんどありません。

取引先様に納期回答のリファックスを送る際も、REFAX機能が自動で送信するため、発注書の受注処理から納期回答、基幹システムへの受注データ入力までの手作業がデジタル化されました。

毎年の繁忙期にはスタッフを臨時雇用することもあり、その都度1から作業を教えていました。ですが、『発注書 AI-OCR(invox)』導入によって作業がシンプルになったため、新人に対しても説明がしやすくなり、臨時雇用する人数も少なくて済むようになりました。

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高い透明度、保存料不使用
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システム化によって、さらなる業務効率化を進めたい

―今後の展望についてお聞かせください。

今回のシステム導入で、受注業務のかなりの部分を効率化できました。良いスタートが切れたと思います。何より大切なのは、効率化によって創出できた時間をどのように有効活用するかです。

これからも進化し続けられるよう、業務フローの全体最適化に向けて課題を抽出し、さらなる改善を繰り返していきたいですね。

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森永商事株式会社

設立1973年9月1日
代表者代表取締役社長 吉川 洋一
本社所在地神奈川県横浜市鶴見区下末吉2-1-1 森永製菓鶴見工場内
事業内容業務用食品素材の開発・販売
企業サイトhttps://www.morinaga-shoji.co.jp/
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