志戸平温泉株式会社掲載日 2024年3月26日

月間2000枚の納品書・請求書金額チェックを1時間で完了。
デジタル化100%で職場環境を改善します。

利用サービス 受発注(発注)請求書(受取)BP Storage for 請求書 | エリア 東北 | 事業内容 旅館の運営
 | 取材日 
志戸平温泉株式会社

岩手県花巻市でふたつの旅館を運営する志戸平温泉株式会社様。従業員の働き方改革や業務改善に積極的に取り組み、県の「いわて女性活躍認定企業等」に認定されています。

同社では月間約2000枚におよぶ納品書と請求書の金額確認と経理ソフトへの手入力が課題で、受発注システムと請求書システムを導入。金額の誤差確認や入力ミスがなくなり、現場にはゆとりができたといいます。

ココがPOINT!

創業194年のリゾートホテルと旅館を運営

―志戸平温泉について教えてください。

代表取締役社長 久保田 剛平 様(以下同):岩手県の花巻温泉郷にある当社は1830年(天保元年)に創業し、現在は2軒の旅館を運営しています。1軒目は173室の「湯の杜ホテル志戸平」。豊沢川の渓流に沿って自然を眺望できる全長25mの露天風呂をはじめ、3つの源泉と20種類のお風呂、100種類のメニューがあるビュッフェレストランなどをご提供するリゾートホテルです。もう1軒は客室26室の「游泉志だて」で、全客室に源泉100%の露天風呂を設け、渓流と対岸の山々を一望いただけます。

当社は従業員の働き方改革や業務改善にも積極的に取り組んでおり、2022年には「いわて女性活躍認定企業等」に認定されました。

「湯の杜ホテル志戸平」外観

―仕入れは受発注システムを使用されていますね。

仕入れ業務の効率改善と、さらなる収益向上のためです。これまでは、料飲など各部署から上がってきた発注内容を仕入課がまとめて仕入業者にFAXを送り、経理課が納品書の金額を集計して請求書と合っているか確認していました。

1カ月に約2000枚の伝票を、業者ごとに整理して経理ソフトに手入力していたのです。業者さんによっては1日の納品だけで20枚にのぼることもあります。手作業だと金額の間違いも起きますし、月初に請求書が届くのを待つ時間があるなど、月次決算書の作成に日数を要していました。

こういった課題をなくすため、2021年3月からインフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』を使って仕入れ業務のデジタル化を進めることにしたのです。

実は、導入するまでインターネットを使った受発注システムがあること自体知りませんでした。当時、ホテル予約管理システムを導入したのですが、たまたまインフォマートの担当者からご案内いただいたのがきっかけです。近隣の旅館様も導入しているということで採用いたしました。

デジタル化は100%でなければ意味がない

―システムの導入はスムーズにいきましたか?

はじめは社内外ともに、反対意見が多かったです。「これまでのFAXによる受発注で何の問題もない」「仕入先と調理担当が電話で直接コミュニケーションしないと、当日のおすすめなど鮮度の高い食材が仕入れられない」などの声もありました。

当初はFAXと受発注システムを半分ずつ使うことも考えたのですが、一部だけデジタル化しても効果は限定的ですし、紙とデータが混在することでかえって混乱を招くおそれもあります。デジタル化は100%やらなければ意味がないのです。こういった理由で一斉に切り替えました。

従業員の理解を得るには、まず各部署の部門長からコンセンサスを得ることが大事です。そこで「BtoBプラットフォーム導入委員会」を部門長レベルで立ち上げ、全社でDXを推進するという姿勢を打ち出しました。デジタル化を会社の取り組みとして認識してもらい、できない理由を探すより、どうすればできるかを考えるべきだと粘り強く説得したのです。思い切ったトップダウンの決断でしたが、結果的にはスピーディーな意志決定ができました。

志戸平温泉株式会社 代表取締役社長 久保田 剛平 様志戸平温泉株式会社
代表取締役社長
久保田 剛平 様

―仕入れ先への案内はどうされましたか?

受発注システムの導入当時、取引のある業者さんのうち6割ほどがすでに『BtoBプラットフォーム受発注』を利用されていました。未利用の業者さんには参加の強制はしませんでしたが、新規の業者さんと取引を始める場合は、受発注システムの利用を条件にしました。できるところから徐々に広げていったことで、現在は仕入れ先の利用率は9割まで増加しました。デジタルツールの利用を前提に取引を開始する方法は、DXを進める上で有効だと思います。

「湯の杜ホテル志戸平」ビュッフェレストラン

仕入れのデジタル化で経理処理が1時間で完了

―伝票集計などの課題は改善されましたか?

これまでは1カ月に約2000枚の納品書を手入力していたのが、今ではCSVデータを経理ソフトに読み込ませるだけで集計が完了します。1カ月に1度、1時間もあればすぐに取り取り込めるので、手入力にかけていた手間を削減できました。

仕入額に関わるミスも減っています。部署ごとに紙でやり取りしていた頃は、請求書と納品書の金額に差異があった場合、当社と仕入れ先のどちらが間違えているのか確認しなければいけませんでした。このチェックが必要なくなったことは画期的でした。人の手が入るとどうしてもミスの可能性が高くなるので、システム化で正確性が増したことは大きなメリットです。

また、業者さんとの間で売上を翌月に回すなど個別のルールがあることもしばしばでした。『BtoBプラットフォーム受発注』を使うことで締日が明確になり、社員の管理意識も向上したと思います。たとえば原価や在庫の数字にズレがあれば、その理由を現場が主体的に考えるようになりました。以前はバラバラだった原価率が安定し、現在はほぼ目標を達成できています。

―発注のほかに請求書のデジタル化も進めていますね。

請求書は『BtoBプラットフォーム請求書』を使って、インターネット上でデジタルデータとして受け取っています。また、インボイス制度の開始をきっかけに、一部残っている紙やPDFの請求書も自動でデジタル処理するシステム『BP storage for 請求書』を導入しました。請求書をデジタル化したおかげで、明細内容を仕分けして経理ソフトにCSV取り込みしています。入力作業がなくなり、最終的な金額確認だけで済むようになりました。

仕入先によっては今でも紙の請求書が届くことがありますが、『BP storage for 請求書』で読み取った紙のデータを『BtoBプラットフォーム請求書』に自動連携することで、紙を含むすべての請求書を一元管理できるようになりました。受発注システムと合わせて、もっと早く導入していればよかったと思うほどです。

「湯の杜ホテル志戸平」ビュッフェレストラン

志戸平温泉株式会社様のサービス利用イメージ図

空いた時間でさらなる業務改善を進めたい

―今後の展望を教えてください。

仕入れ業務と請求業務を効率化できて、現場には時間的、精神的なゆとりが生まれました。今後はその時間を有効活用し、取引データを分析してさらなる業務改善ができればと思います。これまでは入力作業や資料作成に追われていましたが、資料に対し「ここはこう思う」「こんなふうに改善できるのでは」など意見が出る機会も増えました。そうした意見を取り入れつつ、これからもデジタル化を進めて職場や業務を改善していきたいです。

関連リンク

志戸平温泉株式会社

本社所在地岩手県花巻市湯口字志戸平26
設立2018年6月(創業1830年)
事業内容旅館の運営
企業サイトhttps://www.shidotaira.co.jp/
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