会計事務DXの推進にあたって、 押さえておきたい
5つのポイント

2024/04/12

本記事では、会計事務DXの推進にあたって押さえておきたい5つのポイントについて、過去に投稿された記事や民間事業者に必要な法対応「電子帳簿保存法」「インボイス制度」に触れながら詳しく解説します。

直近の予算要求または来年以降の会計事務DXを検討されている自治体の皆様のご参考になればと思います。

会計事務DX推進の5つのポイント

①会計事務DXのゴールを設定します。

自治体業務の真の効率化、地域の生産性向上のために「見積→契約→発注→納品・検収→請求書」のワンストップ・デジタル化がDX後のあるべき姿と当社は考えています。

②会計制度を見直します。

会計事務DXには、システムの運用とそれを活かす会計制度が必要です。

『自治体DX通信』の「DX通信」カテゴリでは、DX推進のための制度設計を詳しく紹介しています。

③会計事務DXの効果を検証します。

当社のシステムを用いた実証実験には30団体を超える事例があります。その取り組みと検証結果から、貴庁がDXに取り組んだ場合の効果を検証することができます。ぜひ、お問合せください。

④電子取引の種類を確認します。

請求書DXの方法には、PDF型とデジタルデータ型があります。『DX通信』では各々の特性を比較し、デジタルデータ型が自治体と事業者の双方にとって有益であることを解説しています。

⑤民間事業者の法対応を考慮します。

民間事業者はインボイス制度と電子帳簿保存法に対応しなければなりません。これらの法対応が可能で、民間事業者同士の取引にも汎用性があるシステムを自治体が導入することで、地域社会のDXが推進されると当社は考えます。今月号では、民間事業者の法対応について説明します(次の章で詳しく解説します)。

以上のポイントを押さえることで、貴庁のデジタル化の道筋が見えてきます。会計事務DXには自治体の規模や特性に応じた取り組みが必要です。インフォマートは貴庁に最適なシステム運用をご提案し、DXの完遂までサポート致します。DXに関するご相談やバックナンバーのご希望は、遠慮なくご連絡ください。

民間事業者に必要な法対応

電子帳簿保存法

  • 電子保存の要件は「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の3区分で設定されています。
  • 令和4年1月の改正以降、電子取引を行なった民間事業者は、原則として書類を電子的に保管する義務があります。
    令和6年1月からは原則的に紙に印刷して保管することは認められません。
  • 民間事業者が自治体に電子請求書を発行した場合、電子取引の区分となります。
    電子取引の保存は「検索や確認がすぐにできる」「改ざん防止の措置が取られている」といった、以下の要件を満たす必要があります。

可視性の確保(検索・確認ができる状態か)

  • 要件1 使い方が分かる資料を備え付ける
  • 要件2 すぐ確認できるようにモニタを備え付ける
  • 要件3 検索ができるようにする

真実性の確保(改ざんなどされていないか)

  • 要件4 デジタルデータ保存の措置
    (いずれかで対応の必要あり)
    1. タイムスタンプが付された後の授受
    2. 授受後遅滞なくタイムスタンプを付す
    3. データの訂正削除を行った場合に、その記録が残る&訂正削除ができないシステム
    4. 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け

インボイス制度

  • 適格請求書(インボイス)発行事業者の登録が必要になります。
  • 課税事業者が発行する請求書と納品書には、登録番号と税率ごとの合計金額記載が必要になります。
  • 請求書の様式変更や税率ごとの計算が必要となるため、消費税申告の業務が複雑になります。

イメージ

請求書イメージ

※は軽減税率対象

まとめ

インボイス制度は、デジタルインボイス(電子データ化)を想定した制度です。電子データで適格請求書の作成・保存・管理を行なうことで、民間事業者の業務効率化や生産性向上が期待できます。

民間事業者からの請求書を「PDFを添付したメールで提出可能」とする自治体も多くありますが、PDF型の場合、事業者は煩雑な法対応をする必要があります。デジタルデータ型なら、システムベンダーが全ての法対応を行なうので、事業者は安心して電子取引を行なえます。

自治体から事業者へシステム利用をお願いする際は、適格請求書が発行できて、電子帳簿保存法に対応しているという事業者側のメリットをぜひお伝えください。

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