食品食材インターネット市場フーズインフォマート

タイトル記事一覧

	〔日経流通新聞〕「再考ネットビジネス」～「悩み解消」こそ成功の原点～/2002年9月26日
	〔日経流通新聞〕売買希望情報を自動組み合わせ/2002年9月12日
	〔日経レストラン9月号〕インフォマートが逆オークション開始/2002年9月8日
	〔日本農業新聞〕食品のネット取引が簡単に～商談候補を自動検索 9日から新システム/2002年9月5日
	〔日刊食料新聞〕インフォマートが取引活性化へ　検索必要ないサイト/2002年9月3日
	〔日経流通新聞〕逆競売方式を導入～インフォマート　サイトを改装/2002年9月3日

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〔日経流通新聞〕「再考ネットビジネス」～「悩み解消」こそ成功の原点～/2002年9月26日

ｅコマースでは「ビジネスモデル」という言葉が幅を利かせる。これがくせ者だ。失敗例の多くは「始めにビジネスモデルありき」の呪縛にとらわれている。
　例をあげてみよう。ｅマーケットプレイス（ｅＭＰ）というモデルがある。売り手と買い手をつなぐ第三者の中間市場のような役割だ。ネット適性も高い。商社などは色めき立ち、ｅＭＰの導入に一斉に踏み切った。
　今年三月に公表された電子商取引推進議会の「ｅマーケットプレ－ス委員会報告書」によると、その数は１９９９年には４件であったものが２０００年には９６件と急増。ところが２００１年になると４０に減少する。要するに急速に盛り上がったが、すぐにしぼんでしまったということだ。
　推測するに敗因は「始めにｅマーケットプレイスありき」だったことだろう。大体こんな具合だ。「アメリカでｅＭＰがはやっているらしいぞ」「これは実に我が社向きだぞ」「遅れないうちに早く始めよう」という経緯である。ことに熱心であった商社に関しては、ＢtoＣの消費者向け商売は少々手に余る、ならばｅＭＰなら実に商社向きということで参入したようだ。別に基礎ニーズ、戦略が明確なわけでもなく、ビジネスモデルに繊維だ、鉄鋼だ、と商材をあてはめたにすぎない。
　一方対照的な事例がある。食品分野のｅＭＰの先駆けとなったのが、インフォマートだ。既に売り手、買い手合わせ五千社の登録企業を持つ。おかしなことに、ここの社長は、創業当時ｅＭＰという言葉を知らなかったという。
　「地方には優れた食材を持っているが販路に悩む業者が多い。一方都会の企業はいつも商材を探しているが忙しくてなかなか見つけにくい。ここをつなげば人助けになる」くらいの発想であった。ここにたまたまネットが結びついたというわけだ。ビジネスモデルのビの字も登場してこない。「始めにネットありき」でもない。
　まず「ｅＭＰありき」の商社に代表される人たち。一方で実に単純な「お悩み解消」からスタートしている人たち。こんな対照的な事例がネットにはあふれている。
　そもそもｅコマースの原点は「実店舗や実営業でのお悩み解消」であった。まず自動車販売がネットで始まったのも、「早くサインを！」一辺倒のそれまでの営業スタイルに消費者がうんざりしていたからだ。この原点を見失うと痛い目に遭うということである。(Ｍ＆Ｍ研究所　三石玲子）

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