国内最大食品・食材のeマーケットプレイス Info Mart Corporation:電子商取引で新規取引先の発掘・開拓、既存の取引先との受発注強化、外食などフード業界のあらゆる商取引を強力にサポート
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〔日経食品マーケット〕 2003年10月12日 11月号
動き始めたネット仕入れ
〔起ちあがれニッポン DREAM GATE〕 2003年10月
ニッポンびっくり起業人 建設業からインターネット食材市場で起業 いまや月間取引高は10億円!


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〔日経食品マーケット〕動き始めたネット仕入れ 2003年10月12日 11月号
 インターネット上の取引市場を使って、食品を調達するスーパーが増えつつある。栽培方法にこだわった野菜やユニークな惣菜など、既存の取引先からは仕入れられない食品を取り寄せることができるので、売り場に変化を与えられるからだ。
 生産者や食品メーカーとの直取引となるため、トレーサビリティ(生産・流通履歴の追跡)の確保が容易というメリットもある。取引市場によっては、商品の調達コストの削減に活用することも可能だ。
 ネット仕入れ活用方法とメリット、課題を追った。


高知県・土佐山田町にある食品スーパー、バリュー山田の惣菜売り場には、常時200アイテムを超えるサラダや揚げ物が並ぶ。「当店の周囲は一人暮らしの高齢者が多く、1日3食を惣菜で済ませるお客も少なくない」(石川靖店長)ことから、メニューも頻繁に変更する。例えば、月替わりで「カレーフェア」「豆腐フェア」といった企画を実施し、「カレー味のタコ焼き」「カレー味のササミフライ」などのユニークな惣菜を販売する。午前中に、8〜10種類の惣菜を100g148円で提供する「惣菜バイキング」のメニューは、1週間単位ですべて入れ替える。

●惣菜。豊富な品揃えのカギはネット取引市場の活用
 この品揃えに役立っているのが、ネット取引市場の「FOODS Info Mart(フーズインフォマート)」だ。ネット取引市場は、売り手と買い手をマッチングするインターネット上の仮想空間で、「企業間(B to B)電子市場」「eマーケットプレイス」などとも呼ばれる。
 フーズインフォマートは、食品業界を対象とし、会員数は売り手と買い手を合わせて計5400社。買い手となる企業は、飲食店やホテル。小売店などで、食品スーパーは250チェーンが加盟。生鮮品や加工品のほか、レジ袋や衛生用品といった消耗材も取り扱っている。
 バリュー山田を運営する、土佐山田ショッピングセンター(高知県・土佐山田町)の小原義忠・惣菜部バイヤーがイベントの企画に活用しているのが、フーズインフォマートの「自動取引マッチング」機能だ。この機能は、数量や納期、味の特徴など、あらかじめ調達を希望する食材の条件を登録しておくと、これに合致した商品を取り扱っているメーカーの情報が自動的に電子メールで送られてくるもの。この機能を使えば、複数のメーカー情報が一気に集まるため、情報の検索や照会にかかる手間を大幅に低減できる。
 カレー味のタコ焼きも、この方法で見つけた。顧客の評判が良かったことから、今では定番商品へと格上げし、「毎日、買っていくお客様が何人もいる」(小原バイヤー)人気商品に育っている。
 メールで送られてくる情報の中から気になる商品はまずサンプルを取り寄せ、パートを交えた試食会で導入を検討する。「ネット仕入れの場合、卸を通さずメーカーと直接やり取りするため、味や量目に関する要望を伝えやすい」と言う。
 例えば、外食店向けの牛丼の具を取り寄せて試食した際に、「スーパーの惣菜は、作ってから消費されるまでの時間が外食店より長い。このサンプルはタレが多過ぎるから、惣菜として使うと、コメが柔らかくなってしまい使いにくい」とメーカーに指摘したところ、土佐山田ショッピングセンター向けにタレを減らしたパッケージを作成してくれたという。
 惣菜バイキングのメニュー作成には、フーズインフォマート内の情報サイト「レシピMart(マート)」を活用する。熊谷喜八氏、陳健一氏といった著名シェフのほか、食品メーカーや料理学校が作成したオリジナル料理のレシピが1000件近く登録されており、レシピが掲載されているページから、各料理に必要な食材を直接、発注することができる。
 レシピは、使用する「食材」や料理を提供する「季節」といったキーワードを使って検索できる。小原バイヤーは「冷凍コマツ菜」「ハム」など、惣菜バイキングの販売価格に見合う食材から検索し、そこから、調理時間が20分以内のものを選んで、パートに試作してもらっている。同社は惣菜の6割程度をインストアで加工しており、約5時間で120アイテムもの惣菜を製造する。このため、パートだけで短時間に調理できる惣菜であることが、重要なポイントとなるからだ。
 以前は、料理雑誌や専門書を買って研究していたが、調理時間の書かれていないものも多く、内容も、自分で料理することが少ない小原バイヤーには理解しづらかった。「レシピマートのメニューなら、内容の不明な点はメールで照会すればすぐに答えてもらえるので安心」と、その機能に満足している様子だ。


●既存の卸にはない商品で競合店と差異化を図るのが狙い
 今でこそ積極的にネット取引を活用する小原バイヤーだが、「それまでは、パソコンには触ったことすらなかった」
 バリュー山田にパソコンが導入されたのは今年5月のこと。石川健二社長が「六十の手習い」でインターネットを使い始め、偶然見つけたフーズインフォマートに会員登録したのがきっかけだった。「積極的に使って年会費の6万円ぐらいは回収せよ」という石川社長の指示を受け、小原バイヤーを含む、7名の社員がパソコン教室に通った。
 電子メールの使い方やインターネットの閲覧方法など、基本的な操作を学んだだけでフーズインフォマートを使い始めたため、当初は失敗も多かった。例えば、「こだわり」という漠然としたキーワードで検索したところ、読み切れないほどの情報が表示されてしまったそうだ。
 だが、インフォマートの担当者の助言を得るうちに、操作にも慣れ、欲しい商材を短時間で探せるようになったという。「メールを書くのが大変だったが、相手とやり取りしながら取引するのは面白い」と小原バイヤー。最近は、バリュー山田以外の店舗の売り場主任にも検索方法を教え、「惣菜部門の担当者全員でお客様から喜ばれそうな食材を探している」そうだ。
 小原バイヤーがネット取引に力を注ぐのは、NB(ナショナル・ブランド)中心の品揃えでは、とても勝ち残れない、という思いが強いためだ。高知県ではほとんどのスーパーが同じ大手食材卸と取引しているため、「少し気を抜くと競合店とそっくりの売り場になってしまう」と小原バイヤーは言う。競合する大手チェーンも惣菜を強化しており、4店舗という小規模チェーンの惣菜を担当する小原バイヤーの危機感は強い。
 これまでも、時間を見つけては県外の食品メーカーや食材の見本市に足を運び、他店と差異化できる商品を探したが、満足のいく結果はなかなか得られなかった。時間と経費をかけて、ようやく探した商品を、卸を通して仕入れたところ、しばらくして同じ商品が競合点にも並ぶ、という苦い経験も味わった。
 フーズインフォマートを活用すると、価格は通常よりやや高くなるため、発注単位に工夫して配送コストを引き下げたり、同じメーカーから仕入れる商品を複数にして価格引下げに応じてもらうなど、コスト削減にも努めている。スポット商品として仕入れたものをお客の反応を見ながら定番商品に加えていくなど、店の実情に合わせた使い方もできるようになり、フーズインフォマートを介して仕入れる商品は常時約30アイテムに上っている。
 ネット取引市場の大きなメリットは、バリュー山田の例のように人手や交通費をかけずに新しい取引先や商品を開拓できることにある。ネット取引市場には、生産者や食品メーカーなど様々な売り手が集まっていて、自慢の商品を「電子カタログ」にしてインターネット上に掲載する。買い手はこのカタログを検索し、気に入ったものがあれば、メールや電話で売り手に連絡を取り、商談を始められる。商談は必ずしもインターネット上で行う必要はなく、ファックスで発注したり、産地まで赴いて商談することも可能だ。


●様々なネット取引市場が誕生 トレーサビリティも可能に
 現在、インターネット上には、食品全般を扱うサイトから、特定の分野に特化したサイトまで、様々なネット取引市場が誕生しており、利用者は増えつつある。ただし、スーパーの利用はまだ少なく、飲食店やホテルなどが先行しているのが現状だ。それでも、競合店とは異なる商品を望むスーパーが増えるにつれ、ネット取引市場の活用も増加傾向にある。
 その背景にあるのが、食の安全・安心意識の高まりだ。ネット取引市場は、卸を介在しない直取引が基本となるため、トレーサビリティ(生産・流通履歴の追跡)を実現しやすくなる。こうしたニーズを受けて、生産履歴情報の開示を推進するネット取引市場も増えている。


●イトーヨーカ堂はこだわり青果コーナーに活用
 イトーヨーカ堂が、2002年3月から展開を始めた青果コーナー「農ぶらんど」も、安心でおいしい青果で消費者にアピールするのが狙いだ。このコーナーには、フーズインフォマートの会員の中でも、特に栽培方法にこだわる生産者を集めた情報サイト「農産物Mart(マート)」から、旬の野菜や果物を調達して品揃えする。現在、首都圏を中心に11店舗で展開している。
 同社食品事業部の村山喜久丸・青果担当チーフディストリビューターは、その特徴を「減農薬やミネラル栽培など、言葉で特徴を説明するのではなく、食べれば誰もが良さを実感するような 青果を集めた」と説明する。時期にあわせて、一番おいしい産地から届くように全国の生産者をリレーさせるのが大きな特徴で、取れたての青果を宅配便で店舗まで直送している。
 村山チーフディストリビューターによると、「農産物マートなしに、この企画は成立しなかった」。 「安全でおいしい青果をスポットで調達するのは比較的簡単だが、年間を通して販売には、全国から生産者を募らなければならない」からだ。
 店頭には、生産者リレーが人目で分かる年間カレンダーを設置し、お客に旬の移り変わりを意識してもらう工夫も施した。ホームページに掲載されている商品情報を基に、生産者の名前や産地、栽培方法、食味の特徴や生産者お薦めの調理法方などもPOPで表示する。


●課題は物流コストの削減と発注作業の集約化
 農産物マートで取引を始めた生産者と共同で、季節ごとにイベントも開催する。例えば02年4月には大和鶴間店(神奈川県大和市)で「トマトのたべくらべ」コンテストを実施。このイベントで優勝した愛知県・渥美町の河合洋氏のトマトは、「今では、売り出すと必ず売り切れる人気商品」(村山チーフディストリビューター)と言う。
 「イベントを通じて生産者と直接話をすることで、売り場担当者が販売にいっそう熱を入れるようなった」(村山チーフディストリビューター)のも大きな成果だ。生産者も、顧客の顔を見たのをきっかけに、栽培により力を注ぐようになるという。
 「農ぶらんど」の青果は通常よりやや高いが、売れ行きは好調で、今後もコーナーを設ける店舗を増やしていく予定だ。ただし、課題もいくつかある。その一つは、物流コストの削減だ。鮮度維持の目的もあって宅配便を利用しているが、いずれはセンターに集荷するなどして、コスト削減を図りたいという。
 もう一つは、発注に手間がかかること。現在は、本部で立てた年間計画を元に売り場担当者が発注量を決め、フーズインフォマートの受発注システムやファクスで注文している。店の発注作業を一本化するために、「いずれは当社の自動発注システムに集約したい」と村山チーフディストリビューターは言う。

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