食品専門の電子取引では国内最大の(株)インフォマートが、先月30日、サイト内で扱う「農ぶらんど」商品のコーナーをイトーヨーカドー大和鶴間店(神奈川県大和市)青果売り場でスタートさせた。インフォマートは、企業と生産者らがインターネットで食品・食材を取引する「FOODS Info Mart」サイトを運営、会員は売り手2300社、買い手2600社、取扱商品数は約2万1000アイテムになる。農ぶらんどは、安心・安全な食にこだわって生産された農産物で約640アイテム(青果全体登録数約1500アイテム)で、同サイトでも人気があるという。量販店にコーナーを設置したのは消費者へのPRとマーケティング、生産者がビジネスチャンスを得るためのチャレンジの場にしたいという趣旨からだ。「生産者はこだわりを持って野菜造りをしているが、消費者やバイヤーの声が届かずに迷っている」と、同社経営企画室長・櫻井サチコ氏。同コーナーでは旬の時期の一番おいしい産地の野菜・果物が並ぶよう生産者をリレーさせる。約3.6uのコーナーにはトマト・デコポンなど約22品目が陳列、生産者名や特徴、食べ方などが分かりやすく表示されている。例えば「西田淳一さんの完熟デコ」は、産地/熊本県玉名群玉東町、特徴/ハウス土耕(〜3月)・路地栽培(4月〜)と書かれ、さらに食べ方や甘さ・酸味などが表示、足を止めて眺めていく客が多く見られた。商品に対する感想・要望は専用の用紙に記入した後備えつけのポストに入れれば、生産者にフィードバックされる。
また、農ぶらんどのホームページでも商品の情報を見たり生産者と意見交換ができる。ほかにも定期的にイベントを行う予定。パイロット的な展開なので現在は売上予算は立てていないという。「消費者には安心を得るとともに、生産者のファンになって欲しい。旬のおいしい産地の野菜・果物を知ることで、自分に合った野菜が見つかり楽しみも広がると思う。このコーナーが生産者と消費者、生産者とバイヤー・売り場担当者らが近くなる場になれば」と櫻井氏は話す。